2012年02月10日

マルメロの陽光 El Sol del membrillo



マルメロの陽光」(El Sol del membrillo)は1992年のスペイン映画。ビクトル・エリセ監督作品。スペイン現代美術を代表する写実主義画家、アントニオ・ロペスの創作過程を追ったドキュメンタリー。

一般人でも機能の良いデジカメでかなり良い写真を撮れてしまう現在で、写実主義絵画のありがたみはイマイチ希薄に思えてしまいますが、この映画はアントニオ・ロペスの創作過程を撮影していく事で、画家とその題材へのアプローチのし方が捉えられています。

映画の中でも言っていますが、写真に撮って投影して自分の好きな構図で写し取れば簡単な作業(実際にこの手法で絵を描く画家も多いですね)なのに、アントニオ・ロペスは敢えてイーゼルの位置と自分の立ち位置を固定し、視点の線を糸で張り、マルメロの葉や実にもラインを付けて視点を計り、という細かい作業をして的確に写実していく手法を取ります。

現在のマルメロの木を的確に描き出す細かい作業を根気よく続けるロペス。絵画を見る側からすれば葉の位置や実の位置がずれていても実際にその木を見る事は無いのだから気づかないだろうし、もしくは見比べても気づかない人も居るかも知れません。でも敢えて自分の植えた愛着のあるマルメロの木の葉の一枚一枚の位置や、日ごとに重くなって垂れ下がって来るマルメロの位置でさえ、位置が下がるごとに印を付けて調整し的確に描写しようとロペスは試みます。

毎日庭に出てマルメロの木を見続け、風や移り変わる日の光の位置を感じ取りながら製作を続けていくロペス。時には雨が降り、大きなテントを張ってマルメロの木のそのままの状態を保存したり、空きも深まり垂れ下がってしまった枝を友人で画家のエンリケに支えてもらいお喋りをしながら製作を続けたりします。

画家が絵を描く姿を淡々と映し出していくドキュメンタリーなのですが、そこには写実主義(リアリズム)へどれだけリアルに近づけるか、画家と自然の対話のようなそのやり取りが描き出されています。

アントニオ・ロペスが作業を始めるのと同時に彼のアトリエの改修工事も始まるのですが、現実をキャンバスに写し出す画家の作業と、その彼のアトリエという現実世界の実用的な空間の工事が平行して描き出されていて、面白い対比になっています。

マルメロの陽光 [DVD] / アントニオ・ロペス・ガルシア, マリア・モレノ, エンリケ・ゲ...
マルメロの陽光 [DVD] / アントニオ・ロペス・ガルシア, マリア・モレノ, エンリケ・ゲラン (出演); ビクトル・エリセ (監督)【中古】【10P3Feb12】洋画DVD マルメロの陽光(’92スペイン) ((株) 紀伊國屋)【画】Antonio Lopez Garcia: Drawings [ハードカバー] / Antonio Lopez-Garcia, Francisco Calvo Serraller (著); Distributed Art Pub Inc (Dap) (刊)Antonio Lopez Garcia: Paintings and Sculpture [ハードカバー] / Francisco Calvo Serraller, Miguel Delibes (著); Distributed Art Pub Inc (Dap) (刊)
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2012年02月09日

モディリアーニ 真実の愛 Modigliani


英語版

モディリアーニ 真実の愛」(Modigliani) は2004年のアメリカ/フランス/ドイツ/イタリア/イギリス/ルーマニア合作映画。

絵画は実際に見るのと画集で見るのとではまったく違って見える場合が多いですが、その中でもモディリアーニの絵は実際に見ると女性の肌の体温が伝わって来るような暖かみのある色で、輝いているようだったのを覚えています。アフリカの木彫りのマスクのようなちょっとデフォルメされた顔に瞳の無い目、長く引き延ばされた首が特徴的な彼の画風は、当時の「〜イズム」が流行っていた時代に独自のスタイルで描き出された人物像が多いです。

画家を描いている映画は、作品から画家本人を想像させる場合、画家本人の人生からその画風を描き出す場合、画家の生きていた時代の歴史的な背景からその作風や人生を描き出す場合、とだいたい作家とその画風を考察させるような作品が多いのですが、この「モディリアーニ 真実の愛」は、かなり誇張された演出で実際の史実とは全く関係ない逸話が盛り込まれて創作された映画です。画家の作風への考察や理解が見られない残念な作品です。

(ネタばれ)
酔っぱらいで、薬中で、女泣かせで責任感が無いモディリアーニが、(自滅的な彼の人生スタイルは実話に近いですが)ユダヤ人である事から子供をもうけたガールフレンドのカソリックの父親に反対され、絵も売れず貧乏な暮らしをして肺結核に苦しみ、ライバルピカソを倒してコンペで絵が評価を受けた時には無賃飲酒で殴り殺されてしまうという(実際は結核性髄膜炎で亡くなっています)、メロドラマに描かれてしまっています。

監督自身が「大衆向けのエンターテイメント」要素を取り入れたと説明したそうですが、かなり馬鹿げた演出がされていて、ピカソ、ディエゴ、ユトリロ、モディリアーニなどの巨匠たちの「ガチンコバトル」が登場します。スタイルも、追求している物も全く違う著名な画家達をコンペで競わせて優劣をつける、アートを理解している監督だったら考えつきもしないような悪趣味な演出ですね。そして、ピカソとモディリアーニがライバル(これも真実ではありません。)としてやり合っている姿がなんだかウェスタン映画風に描かれています。実際に評論家が酷評するのも分かるような残念な作りになっています。

ラブロマンス映画として観れば悪くは無いのですが、それだったらわざわざモディリアーニである必要も無いので、せめて彼の人生を描くなら彼の絵画、アートについてちゃんと関連づけて描き出して欲しかった。。。手に絵の具を付けてキャンバスに向き合っていれば画家みたいな描かれ方に虚しさを感じます。

残念。残念。残念。

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モディリアーニ 真実の愛 [DVD] / アンディ・ガルシア, エルザ・ジルベスタイン, オミッド・ジャリリ (出演); ミック・デイヴィス (脚本); ミック・デイヴィス (監督)モディリアーニ~真実の愛~ オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / ガイ・ファーレイ (作曲); ガイ・ファーレイ (指揮); エディット・ピアフ, キーディー (Vocals) (CD - 2005)
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2012年02月07日

愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像 Love Is The Devil


英語版 まるでシリアルキラー映画のトレーラーのようですね。

愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」(Love Is The Devil)は1998年のイギリス映画。BBC共同製作。画家フランシス・ベイコンとその恋人であったジョージ・ダイアーの出会いから別れまでを描いた伝記的映画。フランシス・ベイコンのファンであった坂本龍一が無償で音楽を担当。

友人の元恋人の裸婦画像が予想価格21億円で競売にかけられる事で最近ニュースにもなっていましたが、アイルランド人画家フランシス・ベーコンの映画です。そのダークなイメージは、後のホラー映画やシリアルキラーの映画などにも影響を与えた事で知られています。

シリアルキラー映画よりもインパクトの強い強烈なイメージがふんだんに使われている映画です。食器に反射して歪んだ人々の姿、ジャクスタポジションで配置される事で不安感が増すようなイメージ、フランシス・ベイコン絵画のイメージに沿った映像が趣向を凝らして登場します。そして、血や血を連想させるような色の絵の具、実際にキャンバスの上で絵を描き上げる事は無いのですが、映画のシーンの中にベーコンの絵画のメッセージが描き出されているようです。

あらすじ
フランシス・ベイコン(デレク・ジャコビ)のアトリエに、ある晩こそ泥のジョージ・ダイアー(ダニエル・クレイグ)が落下して来る。彼をそのままベッドに誘い、二人は関係を持つ。ジョージはそのままベイコンの恋人として同棲を始める。

アートの世界で華々しい功績を上げるベーコンとは裏腹に、ジョージは徐々に悪夢にうなされ、酒に溺れ、精神的なバランスを崩し始める。。。

まるでシリアルキラーの穴蔵のような、誰か殺されたんじゃないか??と思ってしまうようなアトリエで絵を描いているのですが、実際にかなり散らかっていて、映画の中のアトリエはかなり忠実に再現してあるようです。ここからああいう画風が生まれるのは不思議ではない感じがします。

そして、プレジャー(喜び)に対する彼の考え方はなかなか深いです。彼の作品に現れるダークで生々しいイメージと、映画の中でベーコンがボクシングや人の苦しむ映画のシーンで性的に興奮するシーンが重なって、ベーコンの感性や視点が伝わって来るような映画です。

実際にマゾだったベイコンは、ジョージと付き合い始めるまでは年上の恋人達とかなりハードなプレイをしていたそうで、ボコボコにされて半ば意識を失った状態で道に放り出されていたりした事があったそうです。うーん。。。色々と複雑な画家ですね。

愛の悪魔(トールサイズ廉価版) [DVD] / 坂本龍一 (出演); ジョン・メイプリィ (監督)
愛の悪魔(トールサイズ廉価版) [DVD] / 坂本龍一 (出演); ジョン・メイプリィ (監督)LOVE IS THE DEVIL 愛の悪魔 ― オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / 坂本龍一 (CD - 1999)Francis Bacon [ハードカバー] / Matthew Gale, Chris Stephens (編集); Skira Rizzoli (刊)感覚の論理―画家フランシス・ベーコン論 [単行本] / ジル ドゥルーズ (著); Gilles Deleuze (原著); 山県 煕 (翻訳); 法政大学出版局 (刊)
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2012年02月06日

ダウンタウン 81 Downtown 81


英語にフランス語の字幕トレーラー

ダウンタウン 81」(Downtown 81)は1981年のアメリカ映画。ただし、1981年に製作されていながら行方不明になっていて、2000年に発表されています。画家ジャン=ミシェル・バスキア本人が登場する映画です。

バスキア本人だけでなく、タキシードムーン、D.N.A.、プラスティックス、キッド・クレオール&ザ・ココナッツ、デボラ・ハリー(ブロンディ)ジェームス・ホワイト・アンド・ザ・ブラックスなどが登場します。80年代のNYが垣間みられる映画です。

あらすじ
病院で目が覚めるジャン=ミシェル・バスキア。退院して自分のアパートへ帰ると家賃滞納で大家(ジョージオ・ゴメルスキー、ヤードバーズのマネージャー)に追い出されてしまいます。キャンバス一つと少ない荷物を持って町をうろつくバスキアは、町の人々から愛されていて行く先々で声をかけられます。

汚いエリアから、リッチなマダムの住むコンドミニアムまで、ホームレスになったバスキアは彷徨います。。。

この映画が撮影された時バスキアは19歳で、友達に絵を売りながらその日暮らしのような事をしており、実際にホームレス状態だったそうです。でもホームレスなのに、「友達がいればなんとかなるさ」とポジティブな所に感心させられます。この映画で登場するキャンバスに描かれた絵はグラフィティ専門だったバスキアにとっては初期のキャンバス作品で、撮影後にデボラ・ハリーが200ドル(!!!なんという投資、先見の明がありますね。)で購入したそうです。

彼が愛されキャラだった所が伺えるような、ちょっと呑気、でも喋るとなかなか面白い独自の雰囲気を持っている事が分かる作品です。8年後に27歳でなくなってしまった彼の貴重なフィルムでもあります。使われている音楽も良いし、途中でクラブで登場するキッド・クレオール&ザ・ココナッツなどの映像も楽しめます。

DOWNTOWN 81 [DVD] / ジャン・ミシェル・バスキア, タキシードムーン, DN...
DOWNTOWN 81 [DVD] / ジャン・ミシェル・バスキア, タキシードムーン, DNA, プラスティックス, キッド・クレオール&ザ・ココナッツ (出演); エド・ベルグリオ (監督)DOWNTOWN 81 / サントラ, リディア・ランチ, コーティ・マンディ, ラウンジ・リザーズ, パブロ・カロゲーロ, キッド・クレオール&ザ・ココナッツ, スーサイド, DNA, クリス・ステイン, タキシードムーン, ウォルター・ステディング&ザ・ドラゴン・ピープル (CD - 2001)NEW YORK BEAT―JEAN‐MICHEL BASQUIAT IN DOWNTOWN81 [ハードカバー] / エド ベルトグリオ, グレン オブライエン, マリポール, バスキア (著); プチグラパブリッシング (刊)
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2011年04月28日

カラヴァッジオ Caravaggio



カラヴァッジオ」(Caravaggio)は1986年のイギリス映画。イタリアの画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの生涯を描いているのですが、伝記というより、伝記を元にデレク・ジャーマン監督の自由な解釈で創作された映画です。

16世紀後半から17世紀初頭、ルネッサンス終末期を生きたカラヴァッジオの38年間の生涯を描いているのですが、カラヴァッジオは13回の傷害事件を起こしたと言われている程短気で気性が荒かったと言われており、またゲイもしくはバイセクシュアルであったとも言われているそうです。また、マリア様(処女)の絵のモデルに売春婦などを使って批判された事もあるようです。作品に一般人をモデルとして使っている事、見たものをそのままに、理想化させる事なく自然に描き出すリアリズムの作風で知られています。

自身も同性愛者である事を告白し、52歳でエイズで亡くなったデレク・ジャーマン監督の独自の感性でカラヴァッジオを捕えた作品です。カラヴァッジオのモデルとなる男性達の筋肉を陰影で現した肉体美の映像など、光と影をとても意識して撮影してあり、監督の細かい美的感覚が現れています。カラヴァッジオの作画中の絵画のモデル達のシーンのみならず、ちょっとしたシーンの背景でさえ映画全体が視覚的に配慮されていて、色彩とコントラストを駆使した動く絵画のようです。

そしてその当時の情景と絵画で作り上げた映画の中に監督の遊び心が見え隠れしていて、当時は無かった服装、車、タイプライター、電卓、雑誌などの小物が所々で使われており、また音楽もいきなりジャズがパーティシーンで使われていたりと映画を見る側は、その監督が意識して撮影した映画の物語の世界から「これは映画なんだから」とつまみ出されてしまうような不思議な感覚にも陥ります。

また出演している俳優達もイギリス人で、使われている言語も英語なのですが、特に主演のナイジェル・テリーはどう見てもちょっとお洒落なイギリスのおじさん、という風に見えてしまう部分があって、デレク・ジャーマン監督が意図的にそう作り上げている、敢えてなりきろうとしない、史実にとらわれないアートのもっと本質的な世界を強調しているようにも思えました。

あらすじ
ストーリーは、死期を迎えたカラヴァッジオ(ナイジェル・テリー)が混濁する意識の中で自分の生涯を回想しながら進行します。

ミラノ近郊で生まれたカラヴァッジオは、ローマの街角で絵を売ったり、少年愛嗜好の客をとって日銭を得たりしているのだけど、ある時病気になる。そこへ訪れたデル・モンテ枢機卿(マイケル・ガフ)の目に止まり、彼のサポートの元に創作活動に励む日々を送る。

ある日、逞しい肉体を持つ若者ラヌッチオ(ショーン・ビーン)と出会う。彼をモデルにして「聖マタイ伝」を描き上げ、カラヴァッジオの名声は高まる。ラヌッチオの恋人レナ(ティルダ・スウィントン)もカラヴァッジオのアトリエに出入りする様になり、奇妙な三角関係が始まる。。。

ストーリーを追ってその起承転結を楽しむというより、どちらかというとその映像を視覚的、感覚的に楽しむ映画だと思います。

カラヴァッジオ 【HDマスター】 Blu-Ray / ナイジェル・テリー, ティルダ・スウィン...
カラヴァッジオ 【HDマスター】 Blu-Ray / ナイジェル・テリー, ティルダ・スウィントン, ショーン・ビーン, ロビー・コルトレーン, デクスター・フレッチャー (出演); デレク・ジャーマン (監督)カラヴァッジオ 【HDマスター】 DVD / ナイジェル・テリー, ティルダ・スウィントン, ショーン・ビーン, ロビー・コルトレーン, デクスター・フレッチャー (出演); デレク・ジャーマン (監督)西洋絵画の巨匠 カラヴァッジョ [大型本] / 宮下 規久朗 (著); 小学館 (刊)
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2011年04月27日

宮廷画家ゴヤは見た Goya's Ghosts



宮廷画家ゴヤは見た」(Goya's Ghosts)は2006年のスペイン/アメリカ映画。(英語が使われています。)スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの生きた時代を描いた歴史映画。ゴヤの半生というより、歴史的背景を舞台に彼の周囲の人間模様などを描いています。「宮廷画家ゴヤは見た」という邦題はそこら辺を考えた巧いタイトルですね。(「家政婦は見た」を期待してしまいますが、そういう趣旨の映画ではありません。)

40代で宮廷画家の地位に付き、スペイン最高の画家として今日に名前を残すフランシスコ・デ・ゴヤですが、華やかな王室の人物画以外にも激動の時代を生きた画家だけあって、「マドリード、1808年5月3日」など当時のナポレオン軍が進行したスペインの惨状を物語るような絵画を残しています。

この映画の冒頭で修道士達がゴヤの絵(版画?)を見て討論するシーンがあるのですが、その人間の黒い部分をナマナマしく描き出している絵に拒否反応を起こす修道士もいるのですが、綺麗な部分だけじゃない人間のダークサイドを描いた画家でもあります。

あらすじ
1792年マドリッド。ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)は修道士ロレンゾ(ハビエル・バルデム)の依頼を受け、彼の肖像画を描いています。ゴヤのアトリエを訪れたロレンゾはそこにある美しい少女イネス(ナタリー・ポートマン)の肖像画に目を留めます。イネスは富裕な商人トマス・ビルバトゥアの娘で、ゴヤは彼女を自分のミューズとして作品を数点仕上げています。

ロレンゾは異教徒を探し出しては異端審問に掛けていたのですが、ある晩ロレンゾの部下が大衆食堂でイネスを見かけ、豚肉を食べていなかった事から「ユダヤ教徒だ」と疑いをかけます。イネスは教会に捕えられ、拷問にかけられてしまい、異教徒であると嘘を白状してしまい、投獄されてしまいます。

父親のトマス・ビルバトゥアは娘を心配し、ロレンゾと関わりのあるゴヤにどうにか彼とコンタクトを取れる様にと懇願し、自宅の晩餐会にロレンゾとゴヤを招く事に成功します。。。

修道士ロレンゾのクソっぷりが凄いです。ゴヤの絵の才能を見極めるだけの目はあったのですが、人間的にどうよ?と思えるような行動を何度も取ります。ハビエル・バルデムのあのうさん臭さのある出で立ちと濃厚な演技がマッチして、映画の中ではゴヤよりも目が離せない人物です。もう、あの喋り方にちょっと身震いをしてしまうくらい、何とも魅力的なクソっぷりを披露してくれます。

そしてナタリー・ポートマンが凄いです。綺麗なお嬢様から、投獄生活で精神がボロボロになった女、娼婦、全て説得力のある体当たり演技を見せています。あんな綺麗な子が顔も歪んでボロボロになって登場し、そこに羞恥心とか無いのがプロを感じさせます。

もちろん、ゴヤの絵画の数々や作業風景なども登場するので、アートが好きな方も、そうでない方にもおすすめの映画です。

宮廷画家ゴヤは見た [DVD] / ハビエル・バルデム, ナタリー・ポートマン, ステラン・スカルスガルド (出演); ミロス・フォアマン (監督)宮廷画家ゴヤは見た [Blu-ray] / ナタリー・ポートマン, ハビエル・バルデム, ステラン・スカルスガルド (出演); ミロス・フォアマン (監督)宮廷画家ゴヤは見た【DVD・洋画/ミステリーサスペンス】
posted by 淀川あふるー at 14:52 | Comment(0) | TrackBack(1) | アート系 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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