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モンテ・クリスト伯 」(The Count of Monte Cristo)は2002年イギリス・アイルランド・アメリカ製作の映画。原作は、黒人作家アレクサンドル・デュマ・ペールの19世紀の小説『モンテ・クリスト伯』(岩窟王)。ただしかなり原作から登場人物の設定の変更や、脚色されたり省略されている部分があります。アドベンチャー/ドラマカテゴリーに入れましたが、アクション/アドベンチャー/犯罪/ドラマ/ロマンス要素のある映画です。
風邪でダウンして映画どころではなかったのですが、復活しました。
さて、アレクサンドル・デュマは「三銃士」やこの「モンテ・クリスト伯」で有名な作家ですが、19世紀に書かれた小説とは思えない程、かなり劇的なドラマを繰り広げている作品です。
嫉妬、裏切り、復讐、脱獄、宝探し、などドロドロした復讐劇に冒険を絡め、更に恋愛要素である純愛、略奪、託卵などの現在のドラマのような展開も加わり、手に汗握って見入ってしまいました。
あらすじ
一等航海士、エドモン・ダンテス(ジェームズ・カヴィーゼル)は親友(原作は従兄弟です)フェルナン・モンデーゴ(ガイ・ピアース)と貿易の船に乗って航海をしていたのですが、船長が病に倒れた為、ナポレオン・ボナパルトの流刑地エルバ島に降ります。ダンテスはナポレオンに「手紙をフランスにいる知り合いに渡して欲しい」と頼まれるのですが、「誰にも見せるな」と念を押されます。(ところが、影からモンテーゴはその様子を見ています。)
ダンテスはマルセイユに戻り、その緊急事態の適切な判断を認められキャプテンに昇進し、美しい恋人メルセデスとも結婚の話が出て幸せの絶頂期が訪れます。メルセデスに思いを寄せていたモンデーゴ(ガイ・ピアース)は、酔っぱらって歩いている所をダンテスの昇進に嫉妬するダングラースに呼び止められ、ナポレオンからの手紙の事を話してしまいます。そして二人で密告する計画を立てます。
モンデーゴからの密告で検事代理ヴィルフォールは父親と婚約者と一緒に食事中のダンテスを捉えます。ナポレオンからの手紙の事を追求し、中身を読んで更にダンテスを追い込むのですが、ダンテスは字が読めないと判明します。それを知り一旦釈放しようとするのですが、その手紙の宛先が自分のナポレオニストの父親であると知って、(自分に火の粉が降り掛かるのを防ぐ為に)手紙を燃やし、イフ城に投獄してしまいます。
無罪の罪で全てを奪われ、何も無い牢獄に幽閉され数年経ったある日、ダンテスの独房に脱獄計画を立ててコツコツと穴堀をしていたファリア司祭(リチャード・ハリス)がひょっこり現れます。(「ショーシャンクの空に」のアイデアはココから来てるんでしょうか。)ナポレオン軍の元で戦ったファリア司祭は、ダンテスは素朴だけど見込みがあるのを見抜き、剣の扱い方、字の読み書き、学問、経済についてなどあらゆる事を教え始めます。。。
ダンテスの入れられる独房は本当に「何も無い」独房で、現在の牢屋が天国に見える程です。ファリア司祭の独房にある簡易椅子に座って、「うふふ」と嬉しそうにしてしまうくらい、何も無い牢獄から一歩も外に出る事は出来ず、ただご飯を食べ、排泄をするだけの日々を強いられてしまいます。正に地獄です。そして「アニバーサリー」と称して入所した記念日に毎年むち打ちの刑が待っています。
そしてこの、リチャード・ハリスの演じるファリア司祭がとてもいい味を出しています。「ハリー・ポッターと秘密の部屋」がリチャード・ハリスの遺作ですが、「モンテ・クリスト伯」もリチャード・ハリスの亡くなった2002年に公開された映画です。ファリア司祭は不遇の男ダンテスを独房の中で育て上げるのですが、このくだりが凄く良いですね。希望の全くなかった独房生活で、自分のこれからの道を決定づけるような知恵と剣術を老人から学び取ります。
このダンテスが脱獄して「モンテ・クリスト伯」として帰ってくる時に「リベーンジ!」が始まるのですが、ここら辺はネタばれになるので実際に映画で楽しんで観て下さい。長編小説を2時間あまりの映画にまとめてしまった訳ですが(よって原作が好きな方には不満が残る部分が多い映画ではあるかもしれませんが)かなり見応えがあってスリルのある、テンポの良いストーリー展開をします。
ガイ・ピアースの高慢で冷徹で卑屈な「嫌な男っぷり」が、なかなかいいです。彼の持つ、ちょっと神経質そうな独特な雰囲気がこの「嫌な男っぷり」に拍車をかけていて、この映画を見る女性は絶対ダンテス側につくだろうと思えてしまうくらい良い演技力です。
かなりおすすめの映画。是非見て下さい。
posted by 淀川あふるー at 18:12
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アドベンチャー(冒険)/ドラマ
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