2011年07月23日

真実の行方 Primal Fear


英語版

真実の行方」(Primal Fear)は1996年のアメリカの映画。

エドワード・ノートンの映画デビュー作です。彼の持ち味が上手に生かされていて、新人のくせにリチャード・ギアと対等に渡り合って独自の存在感を発揮していますね。田舎から出て来た、訛りと吃り持ちのあか抜けない青年アーロン役で、リチャード・ギア演ずる名声が好きな元検事で今は辣腕弁護士として名を馳せるのマーティン・ヴェイルと渡り合います。

あらすじ
シカゴで大司教が惨殺され、殺害現場から逃げ出した堂役を勤める青年アーロン・スタンプラー(エドワード・ノートン)が逮捕される。血まみれの彼が逮捕されるシーンをニュースで観ていた弁護士マーティン・ヴェイル(リチャード・ギア)は、その知名度と難易度の高いケースに飛びついて弁護役を買って出る。

検察当局はこちらも辣腕検事で、ヴェイルの元部下ジェーン・ヴェナブル(ローラ・リニー)を担当検事に任命。旧知の仲の二人は相手の手の内を探りながら裁判に挑むのだけど、調べれば調べる程、町の権威者達の腐敗振りが露呈してきます。。。

「どう見たって有罪でしょう」という事件を取り扱って名を上げる、そんなどん欲さを持っていて、頭の切れるやり手のヴェイル弁護士。リチャード・ギアが演じるとただスマートで抜け目ない男というより、更に行動のあちらこちらにお洒落さが滲み出る魅力的なおっさん、というプラス効果が出てきますね。敵との戦いにもあまりシコリを残さない、そんなスムーズさがあるような饒舌な男。真剣勝負の中の何処かで目が笑ってる、そんな余裕を感じる気がします。

対するぶっ飛んだ役柄が得意なエドワード・ノートン。共演者を喰ってしまう彼の演技は、デビュー時から健在です。パっと見は何とも普通な感じで、この何処にでも居るような普通の田舎者青年なんて役柄はお手の物でこなしてきますね。間の抜けた喋り方や、たより無さげな目線とか、端々に醸し出す自信無さげな雰囲気。そんな彼が一瞬でガラッとその容貌を変える。目つきにたっぷり含ませた危険で極悪な何かに、一瞬にして『ただ者では無いな』と感じさせられてしまいます。

ストーリーのスリルだけでなく、演技上手な俳優達も楽しめる映画です。

真実の行方
真実の行方 [DVD] / リチャード・ギア, エドワード・ノートン, ローラ・リニー, ジョン・マホーニー, アルフレ・ウッダード (出演); ウィリアム・ディール (原著); グレゴリー・ホブリット (監督)「真実の行方」オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / ジェームズ・ニュートン・ハワード (作曲) (CD - 1996)


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2011年05月09日

スリーパーズ Sleepers


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スリーパーズ」(Sleepers)は、1996年のアメリカ映画。バリー・レヴィンソン監督作品。音楽はジョン・ウィリアムズ。ロレンゾ・カルカテラによる同名小説が原作で、作者いわく実話に基づいているそうです。犯罪/サスペンス/ドラマ映画。

公開当時も豪華なキャストとヘビーな内容で話題になった作品ですが、テレビで放映されていたので久しぶりに観ました。4人の少年期はまるでスタンド・バイ・ミーの様なのですが、ある事件が元で180度人生が変わってしまいます。少年達が、平和な少年期の終焉を迎えると言うストーリーラインもスタンド・バイ・ミーと重なる部分がありますね。

あらすじ
60年代ニューヨーク。労働者階級の街に育つ4人の仲の良い少年達、ロレンゾ”シェイクス”カルカテラ、マイケル(ブラッド・レンフロ)トミー、ジョン。そのタフな街で育つやんちゃな少年達を、兄のように見守るボビー神父(ロバート・デ・ニーロ)。悪戯盛りの少年達は、ある日ホット・ドック屋台で代金を払わずに注文したマイケルが逃げている間に、他の3人がカートを押して地下鉄の入り口の階段に運び、屋台を落下させてしまうのですが、下にいた通行人に大けがをさせてしまいます。からかい半分でした悪戯で、4人はウィルキンソン少年院へ収容される事になります。

ウィルキンソン少年院ではショーン・ノークス(ケヴィン・ベーコン)を始めとする看守達が、少年達に定期的に暴力を繰り返しており、シェイクス、マイケル、トミー、ジョンの四人は、看守達に強姦されてしまいます。自分たちの尊厳を傷つけられた少年達はそれ以上の傷を恐れ、親やボビー神父には少年院で起こっている事は隠しておきます。

14年後。ウィルキンソン少年院で悪い方に矯正されたトミーとジョンは立派にギャングになり、ある日立ち寄ったバーでノークスに遭遇し、撃ち殺してしまいます。。。

自分たちの身に起こった事を、自分の心の深い所にしまっておいて成長した4人の男達が、ある日を境に復讐に走るストーリーです。大人になったシェイクスをジェイソン・パトリック、マイケルはブラッド・ピットが演じています。勝った事の無いダメダメのアル中弁護士でダスティン・ホフマンも登場します。

そして最低看守ノークスを演じているケヴィン・ベーコンの演技力の幅の広さは凄いですね。冷たくいやらしい目つきで少年達を支配して行き、観ているこちらも鳥肌が立ちます。シェイクスに服を脱ぐ様に指示した時の目つきと口調に現れる変態さ。「マジ死ね」と思ってしまうくらい、厭らしい人物になりきっています。

誰にも声が届かない地下室に連れて行かれるシーンの、暗くて長い地下の廊下を歩かされる少年達の絶望感が伝わってくるシーン。そしてその長い廊下の暗闇を引いて撮影しているシーンは、少年達の心の奥の闇を象徴しています。悪い少年達を更正するハズの少年院が、更に悪い少年達を製造するような、少年達の心を思いっきり歪める場所だなんて健全な社会では受け入れられない事情ですね。作者の主張する様に実話だったのなら、とんでもない話ですね。

スリーパーズ 【Blu-ray ベスト・ライブラリー】 / ジェイソン・パトリック, ブラッド...
スリーパーズ 【Blu-ray ベスト・ライブラリー】 / ジェイソン・パトリック, ブラッド・ピット, ロバート・デ・ニーロ, ダスティン・ホフマン, ケヴィン・ベーコン (出演); バリー・レヴィンソン (監督)スリーパーズ<DTS EDITION> [DVD] / ブラッド・ピット, ロバート・デ・ニーロ, ケビン・ベーコン (出演); バリー・レビンソン (脚本); バリー・レビンソン (監督)スリーパーズ―恐怖の少年院と復讐の記録 [単行本] / ロレンゾ・カルカテラ (著); 田口 俊樹 (翻訳); 徳間書店 (刊)
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2011年01月10日

ソードフィッシュ Swordfish


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ソードフィッシュ」(Swordfish)は、2001年に製作されたアメリカ映画。犯罪/スリラー/アクション映画。

カリスマ悪役のジョン・トラボルタが見所の映画です。

あらすじ
仮釈放中のハッカー・スタンリー(ヒュー・ジャックマン)の元に謎の女(ジンジャーハル・ベリー)が現れ、ある仕事を持ちかけて来る。かつてDEA(麻薬取締局)の極秘作戦「ソードフィッシュ」出来た裏金95億ドルを銀行のシステムをハッキングして奪おうというものだった。

彼女のボスであり、計画を立てたのはガブリエル(ジョン・トラボルタ)と呼ばれるこれまたミステリアスで冷徹な男。最初は乗り気でなかったスタンリーも、ガブリエルが二重三重に仕掛けた罠にあっけなくはまって行く。。。

ジョン・トラボルタの魅力がたっぷり詰まった映画です。スーツをピシっと決め、長めの髪をぺったりとオールバックに撫で付けた小洒落た出で立ちのうさん臭さといい、ニヤニヤ笑いながら相手を散々いたぶりからかうような不敵さといい、現代悪役の教祖ですね。冷徹に相手を殺害する割には、自分のルールがあるらしく、有言実行するところもいいです。

見るからにヤバいんだけど、腹の中がイマイチ探れないような雰囲気を醸し出している所が凄いです。ドスの利いた脅しじゃなく、あくまでスマートかつスムーズに相手を操作して行く、こういうユニークな味のある悪役を難なくこなすトラヴォルタの黒さがたまりません。サンルーフから体を乗り出して、両手に持った銃で両脇の車に乱射するシーンはつい拍手してしまいました。

はっきり言っちゃうと、ヒュー・ジャックマンの片耳ピアスのちゃらっとしたイケ面ハッカーは(イケメンという所で既に)説得力に欠けます。まったくギークっぽくも頭良くも見えないし、確かにタイプは早いようだったけど、どうも配役ミス?と言いたくなってしまいます。

ハル・ベリーは髪の毛を伸ばしてから普通っぽくなっちゃったけど、このベリーショートが一番似合ってて可愛いですね。ジンジャー(ショウガ)と言う名前もなんだか似合っています。奇麗で、演技力はそこそこでも存在感があります。

オープニングのトラボルタの「狼たちの午後」を例にあげたハリウッドに対するコメントはなかなか面白いです。リアリティに欠ける、悪役がハッピーエンディングで何が悪い?がこの映画のプロローグですね。

ソードフィッシュ 特別版 [DVD] / ジョン・トラボルタ, ヒュー・ジャックマン, ハル・ベリー (出演); ドミニク・セナ (監督)ソードフィッシュ [Blu-ray] / ジョン・トラボルタ, ヒュー・ジャックマン, ハル・ベリー (出演); ドミニク・セナ (監督)
posted by 淀川あふるー at 18:28 | Comment(0) | 犯罪/スリラー 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2010年12月10日

完全なる報復 Law Abiding Citizen


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完全なる報復」 (Law Abiding Citizen)は2009年のアメリカ映画。

原題の、Law Abiding Citizenは法を守る市民、という意味ですが、映画の中でジェラルド・バトラー演じるクライド・シェルトンが裁判官に言い放つ台詞です。

ちょっと悪役に肩入れしたくなるような映画でした。

あらすじ
クライド・シェルトンは、娘と妻の三人ので幸せに暮らしているのですが、ある日悲劇が訪れます。暴漢が家に侵入し、クライドはノックアウトされ、妻と娘はレイプされた挙げ句殺害されてしまいます。犯人のダービーとエイムスは捕まるのですが、主犯格で実際に殺人を犯したタービーの方が「エイムスに対して証言するから」と検察官ニック・ライスに取引を持ちかけます。DNAの証拠が不十分だったこともあり、ニックはその申し出を受ける事にします。

クライドはダービーが娘を奥の部屋まで連れ去って行くのを目撃しているのですが、自身も刺され、気を失っていた為に証人として十分でない、と検察官ニックは決めつけ、「どちらも無罪になるよりマシだろ?裁判のシステムはこういう風になっているんだ。」とクライドにチャンスを与える事も無くダービーの条件を飲んだ事を伝え、エイムスは死刑、ダービーは5年で釈放される事になってしまいます。

10年後、エイムスの処刑にニックは立ち会うのですが、何者かが薬に何かを混入させた為、エイムスは苦痛の中でもがき苦しんで死んで行きます。そして、ダービーの前にシェルトンが現れます。。。

10年間もの間、裁判のシステムに恨みを持ち続け、こつこつと計画を練り、資金を作り出してそのシステムを成り立たせている人達に報復をする、という映画です。でも、起きた事件をその罪によって裁くのではなく、勝てる方法を選んでしまう検察官ニックにちょっとムカついてしまいました。

クライドの報復方法はチェスのゲームの様で、相手を駒を動かす様に扱い、あざ笑いながら行われて行きます。かなり綿密で過激な方法で報復して行くのですが、頭がいい計画を立てているには、どうして?と突っ込みたくなるような設定もストーリーには多々あります。

クライドが”システム”に対して怒りを持つのはもっともで、もし事件が起きていなかったら、普通に幸せな一般市民で良きパパ、良き夫であっただろう人物です。正義が行われなかったから、自分の手で裁きを下してしまうのですが、 ジェイミー・フォックス演じる検察官より好感が持ててしまうのが不思議です。

お暇な時に、ぜひどうぞ。

Law Abiding Citizen (Original Motion Picture Soundtrack) / Downtown Soundtracks.
posted by 淀川あふるー at 18:36 | Comment(0) | 犯罪/スリラー 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2010年12月07日

トレイター 大国の敵 Traitor


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「トレイター 大国の敵」(Traitor)は2008年のアメリカ映画。スティーヴ・マーティン原案。

"traitor"は裏切り者、という意味です。

あらすじ
サミール・ホーン(ドン・チードル)はアラビア語を喋れる敬虔なムスリムで、スーダン系アメリカン。イエメンでオマール(サイード・タグマウイ)と武器の取引をしている所で捕まり、投獄される。刑務所で二人は仲良くなり、オマールの計画で脱獄する。

オマールと一緒にイスラム過激組織に入り、テロ活動に参加し、アメリカ陸軍特殊部隊で習得した爆破技術を使ってフランスのアメリカ総領事館を爆破する。実は、サミールはアメリカ政府のインテリジェンスのテロリスト対策のコントラクター、カーター(ジェフ・ダニエルス)の元でディープ・アンダーカバー(潜入捜査)として働いているのだが、その事実をFBIは知らず、カーターを殺害してしまう。。。

この映画の中でサミールは、自分の存在を唯一知っていたコンタクトを無くし、孤立してしまいます。事情を知らないFBIに追われる身となり、ガイ・ピアース演じるFBIエージェント、ロイ・クレイトンに追いつめられて行きます。

ドン・チードル主演の映画で、彼はいい俳優なのですが、どうもリード(主演俳優)としてはイメージ的に影が薄い感じがしてしまう気がしてしまいます。デンゼル、サミー、ウェスリー、ウィル・スミス、モーガンに続くスターに這い上がる事が出来るのか、今後が気になります。

オマール役のサイード・タグマウイがとてもいい感じです。味のある俳優さんですね。アクセントも可愛い。もっと色々な映画に出演して欲しい、と思ってしまいました。

トレイター 大国の敵 [DVD] / ドン・チードル, ガイ・ピアース, ジェフ・ダニエルズ, サイード・タグマウイ, ニール・マクドノー (出演); ジェフリー・ナチマノッフ (監督)
posted by 淀川あふるー at 17:32 | Comment(0) | 犯罪/スリラー 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2010年12月05日

クロッシング Brooklyn's Finest


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クロッシング」(Brooklyn's Finest)は、2009年に公開されたアメリカ映画。

クロッシング、というタイトルがついてますけど、どういう意図なんでしょうか?元の題Brooklyn's Finest(ブルックリンの警官)は、ちょっと皮肉がこもってる感じのタイトルです。

あらすじ
ニューヨーク、ブルックリンの中でも最悪のエリアを管轄するNYPD(NY市警)の3人の警官を中心にストーリーが展開します。

退職間近で取合えず業務をこなす、自殺願望のあるエディ(リチャード・ギア)は、朝から酒を飲み、売春婦に入れあげて結婚を迫ってみたりする、冴えない中年警官。麻薬捜査課のサル(イーサン・ホーク)は三人の子供と、双子を出産間近で、現在の家のカビで喘息が悪化した妻の為に引越しを考えているのだけど、頭金の用意もままならない。金を横領する為には人殺しも厭わないほど、金に執着する。

ギャング達の中でアンダーカバー(潜入捜査)をしているタンゴ(ドン・チードル)は自らの生活を犠牲にして潜伏捜査をして危ない橋を渡って来たのに、妻には離婚を迫られ、上司達の昇進の為に利用される。最近刑務所から出所した、ブルックリンでも有名なディーラー、キャズ(ウェズリー・スナイプス)を裏切って殺せば昇進させて上げる、とスミス捜査官 (エレン・バーキン)に持ちかけられるのだが、キャズはタンゴの命の恩人でもあった。。。

3人の警官のストーリーが並列で進行して行き、そこが”ごちゃごちゃし過ぎ”などの批判が出ているようですが、私的には全然オッケーでした。それより個性の強い役者達の演技の対比が面白かったです。特に三人の警官達の、何が彼らをそうさせているのか、という部分がストーリーにも演技にもはっきり出ていて、クライマックスまでの行動とその動機が徐々に組み上げられて行きます。

さて、良い役者が揃っている映画ですが、各自自分の演じるキャラにピッタリな演技を見せています。特にイーサン・ホークの(老け込み方と)徹底的に労働者階級的なアクのあるその様にびっくりしました。どんどん落ちて行く警官サルは、迫真の演技で良かったです。

リチャード・ギアの、「ああ、疲れた、人生に」という雰囲気ムンムンでだれた感じも良かったです。中年でもカッコいい役の多かったリチャード・ギアのかっこ良くない演技が楽しめます。

ドン・チードルの演技力もなかなかなのですが、やっぱりウェズリー・スナイプスの方が存在感があるんですよね。メインのキャラではないんだけど、やっぱりこの存在感で際立ちますね。

クロッシング / Rambling RECORDSBrooklyn's Finest [Soundtrack, Import, From US] / Marcelo Zarvos (作曲) (CD - 2010)
posted by 淀川あふるー at 20:40 | Comment(0) | 犯罪/スリラー 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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