グロ注意。これしか動画がなかったのです。
「銃殺」(King & Country)は1964年のイギリス映画。ジョゼフ・ロージー監督の白黒映画。
第一次世界大戦が舞台の映画です。戦場が舞台なのですが戦い自体がテーマなのではなく、そこで人間がどう扱われ、戦争がいかに非人道的なものであるか訴えた映画です。ストーリーは脱走兵ハンプの裁判を中心に主に会話で進められて行きます。
あらすじ
1917年、第一次世界大戦まっただ中。逃亡罪による軍法会議にかけられる事になったハンプ二等兵(トム・コートネイ)。ハーグリーブス大尉(ダーク・ボガード)は彼の弁護を命じられ、事情聴衆を始めます。
純朴なハンプ青年は、『そんな勇気はないでしょ』バカにしてけしかけて来た義母と妻を見返す為に自ら軍に志願した事、自分が前線に配備され、同じく志願して闘ったものは全て死に最後の一人の生き残りであった事、すぐ5-6メートル先を一緒に歩いていた仲間が砲弾に当りその血を浴びて新しい軍服を新調させられた事、国にいる妻は近所の男と不倫をしている事、爆弾穴に落ちて死にかけ、ついに自分の番が回って来たと限界を感じた事などを語り始めます。。。
20代前半のハンプ青年が経験した戦場は余りにも過酷です。絶え間ない砲弾と、次々に死んで行く仲間達。精神的な不安定からくる不眠で軍医を尋ねても、「そんなのよくある事」と何故か下剤を処方される始末。戦場がどういう所か知り得なかった青年が、「国王と国の為に」(原題ですね)戦場に来てみれば、そこは泥沼の地獄。
精神的に限界が来た青年は計画的に戦場を逃げ出したのではなく「気づいたら祖国を目指して歩き始めていた」とハーグリーブス大尉に当時の心境を語ります。大尉は限界に追い込まれた青年が、自分の生存本能から砲弾から離れて行ったんだと理解し、彼の弁護に挑みます。大尉の弁護は人道的観点から全うな理論で進められて行くのですが、戦争という状況が作り出す戦場での正論がそこに立ちはだかります。
事情聴衆を受けるハンプのストーリーと平行し、戦友達が噛み付いて来たネズミに腹を立て、ネズミを捕まえて裁判にかけるシーンがありす。建前だけの茶番劇に近い裁判を揶揄しているのですが、ネズミの運命なんて人間のひと捻りであっけなく終わってしまいます。ネズミの運命と大して差のないハンプ青年の運命。戦争を経験した事の無い私たちに戦場がどういう所なのか、どういう風に人間を変えてしまうのか語りかけて来る映画です。
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