「コレクター」(The Factory)は2012年のアメリカ映画。どんでん返しのあるシリアルキラー映画。
これまたコレクターというありがちで本題から外れた邦題がついていますが、原題はファクトリー(工場)です。何のファクトリーなのかが最後の肝になるので、このタイトルがついてます。
映画の初めに、この映画は実際に起こった事件に基づいて作られています。と出て来るのですが、実際のどの事件なのかは言及されていません。ですが、アメリカでいくつかの似たような事件がよく起こっているので、そこら辺にヒントを得て作られているようです。
あらすじ
冬のニューヨーク州バッファロー。雪の降る日に売春婦を狙った誘拐事件が相次いでいたのですが、最近その傾向が減ったので捜査は打ち切られる事になってしまいます。捜査を担当していた刑事マイク・フレッチャー(ジョン・キューザック)はパートナーのケルシー・ウォーカー(ジェニファー・カーペンター)と感謝祭の日の仕事を終え、自宅に帰ります。
自宅では、ボーイフレンドの家で感謝祭を過したい娘のアビィと妻が言い合いをしており、マイクが帰宅して来た事によって結局アビィは感謝祭を自宅で過す事になります。自宅でも行方不明の売春婦達の写真を前に捜査を続ける父にアビィはなぜそこまで一生懸命になるのか尋ねるのですが、「この子達には探してくれる家族がいない。俺が探すのを止めたら、誰も彼女達を捜す人はいなくなってしまう。」と言います。
翌日、手術を控えていたトランスセクシャルの男性がいなくなった事を、ボーイフレンドが警察に届け出ます。いなくなっているのが全て女性である為に捜査には関係ないと周囲が思う中で、マイクはそのトランスセクシャルの見た目があまりにも『女性』である事から、犯人は彼を女と間違えたと確信して捜査を続けます。。。
売春婦として生きていく身寄りのない女性、そんな社会の不要物のように扱われている女性達が、この映画の中での犠牲者です。監禁された彼女達にどういう心理状態が働くのか、という部分がフォーカスになるのですが、イマイチ心理的にぐいぐいくるような構成にはなっていないのが残念です。エゴの強い犯人像や、クズ同然に扱われて来た女性達の主従関係なんかをもうちょっと上手くフォーカスさせると、どんでん返しの部分が効いて来ないのでしょうがないのかもしれませんが。
数年前、実際に半軟禁状態で11歳の時から18年間拘束されていた女性が救出された事件がありましたが、長い事強烈な支配関係にある女性が、人が沢山いる町中でも周囲の人に助けを求めなかった事が確か取り上げられていました。そういう状況の心理状態の描写がもう少し丁寧だともっとジワジワ来る映画になったのかもしれないですね。
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