2014年01月29日

コレクター The Factory



コレクター」(The Factory)は2012年のアメリカ映画。どんでん返しのあるシリアルキラー映画。

これまたコレクターというありがちで本題から外れた邦題がついていますが、原題はファクトリー(工場)です。何のファクトリーなのかが最後の肝になるので、このタイトルがついてます。
映画の初めに、この映画は実際に起こった事件に基づいて作られています。と出て来るのですが、実際のどの事件なのかは言及されていません。ですが、アメリカでいくつかの似たような事件がよく起こっているので、そこら辺にヒントを得て作られているようです。

あらすじ
冬のニューヨーク州バッファロー。雪の降る日に売春婦を狙った誘拐事件が相次いでいたのですが、最近その傾向が減ったので捜査は打ち切られる事になってしまいます。捜査を担当していた刑事マイク・フレッチャー(ジョン・キューザック)はパートナーのケルシー・ウォーカー(ジェニファー・カーペンター)と感謝祭の日の仕事を終え、自宅に帰ります。

自宅では、ボーイフレンドの家で感謝祭を過したい娘のアビィと妻が言い合いをしており、マイクが帰宅して来た事によって結局アビィは感謝祭を自宅で過す事になります。自宅でも行方不明の売春婦達の写真を前に捜査を続ける父にアビィはなぜそこまで一生懸命になるのか尋ねるのですが、「この子達には探してくれる家族がいない。俺が探すのを止めたら、誰も彼女達を捜す人はいなくなってしまう。」と言います。

翌日、手術を控えていたトランスセクシャルの男性がいなくなった事を、ボーイフレンドが警察に届け出ます。いなくなっているのが全て女性である為に捜査には関係ないと周囲が思う中で、マイクはそのトランスセクシャルの見た目があまりにも『女性』である事から、犯人は彼を女と間違えたと確信して捜査を続けます。。。

売春婦として生きていく身寄りのない女性、そんな社会の不要物のように扱われている女性達が、この映画の中での犠牲者です。監禁された彼女達にどういう心理状態が働くのか、という部分がフォーカスになるのですが、イマイチ心理的にぐいぐいくるような構成にはなっていないのが残念です。エゴの強い犯人像や、クズ同然に扱われて来た女性達の主従関係なんかをもうちょっと上手くフォーカスさせると、どんでん返しの部分が効いて来ないのでしょうがないのかもしれませんが。

数年前、実際に半軟禁状態で11歳の時から18年間拘束されていた女性が救出された事件がありましたが、長い事強烈な支配関係にある女性が、人が沢山いる町中でも周囲の人に助けを求めなかった事が確か取り上げられていました。そういう状況の心理状態の描写がもう少し丁寧だともっとジワジワ来る映画になったのかもしれないですね。

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コレクター [DVD] / ジョン・キューザック, ジェニファー・カーペンター, メイ・ホイットマン, ダラス・ロバーツ, ソーニャ・ヴァルゲル (出演); モーガン・オニール (監督)
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2013年03月17日

サスペクト・ゼロ Suspect Zero



サスペクト・ゼロ」(Suspect Zero)は、2004年のアメリカ映画。シリアルキラー映画。

普通のシリアルキラー映画に登場する犯人にはまったく同情の余地がないのですが、この映画には捕まらずに活
動を続けて欲しかったと思わされるような訳ありのシリアルキラーが登場します。

あらすじ
捜査官のトム・マッケルウェイ(アーロン・エッカート)は、連続殺人犯の不当逮捕(州の法規を無視した逮捕)が原因で、左遷されてニューメキシコ州のアルバカーキにやってきます。早速起きた殺人事件の捜査に携わるのですが、遺体は瞼が切り落とされ、丸に斜め線の入ったマークが記された紙が残されており、捜査するうちにまた次の同じように殺害された死体が見つかります。

連続殺人の捜査が始まるのですが、行方不明者との共通点と共通しない点が浮上し、全米各州に股がった被害者数多数のスーパーシリアルキラーの存在が存在するかも知れない、という事態に発展して行きます。。。

冒頭から犯人の顔出しをして誰が犯人だか分かるような早速ネタばれをするので、どういうストーリー展開になるのかと思っていたら、犯人の動機に秘密に事情があるシリアルキラー映画です。ただ己の欲に従って犯罪を犯すのではなく、とある事情で犯罪を起している事が明らかになります。

ある『ビジョン』(透視能力)が登場して来るのですが、こんな能力を持っていたら普通の人は発狂してしまうでしょうね。。。人の世の為になる能力でも、こんな能力を持ちたいと思う人はいないでしょうね。

サスペクト・ゼロ [DVD] / アーロン・エッカート, ベン・キングズレー, キャリー=アン...
サスペクト・ゼロ [DVD] / アーロン・エッカート, ベン・キングズレー, キャリー=アン・モス (出演); E・エリアス・マーヒッジ (監督)サスペクト・ゼロ [DVD] / アーロン・エッカート, ベン・キングズレー, キャリー=アン・モス (出演); E・エリアス・マーヒッジ (監督)




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2012年06月24日

冷たい熱帯魚



冷たい熱帯魚」は2010年の日本の映画。園子温監督、脚本。1993年の埼玉愛犬家連続殺人事件をベースとした映画。

日本にも、こんなに凶悪なシリアルキラーが居たのですね。「埼玉愛犬家連続殺人事件」という事件自体聞いた事が無かったのですが、この映画の中では実際に起こった事件の人物の家族設定や環境設定を変えてあります。実際の事件ではペットショップのオーナーだった犯人夫婦が、映画の中では大型熱帯魚店のオーナーとして描かれているのですが、小さな水槽の中で生かされている魚達を扱う仕事に換えて「冷たい熱帯魚」とする辺りにヒタヒタとくる何かがありますね。

残酷な事件を生々しい表現を使って描いているのですが、暴力シーンや「透明にしちゃう」グロシーンよりなにより、核になる二人の人物像の描き方が秀逸だと思います。行動力とカリスマを備えた殺人鬼の村田幸雄と、そこに巻き込まれてしまう自主性や問題解決力の欠けた社本信行。巻き込まれて犯罪に加担した『普通の男』村田幸雄の狡さやダメさが容赦なく描き出されています。

あらすじ
前妻と死別し、若い後妻の妙子(神楽坂恵)と前妻との間の娘美津子と暮らす社本信行(吹越満)。小さな熱帯魚店を営む彼は、妻と娘の間の確執に気づくも何の対処もせずに暮らしていたのだけど、ある日美津子が万引きをして捕まってしまう。

美津子が捕まったスーパーへ向かった社本と妙子は、スーパーの店長の友人で現場に居合わせた村田幸雄(でんでん)の取りなしもあって穏便に事を済ませる事が出来た。村田は社本が自分と同業者という事を知っていて、美津子を自分の熱帯魚店でバイトとして住み込みで働きながら更正させる事を提案し、親切に色々な世話を焼き始める。

妻と娘は社本とは違って問題解決能力のある村田の魅力に取り込まれてしまう。。。

村田幸雄を演じるでんでんさんのカリスマ性のあるキャラクター演技がなかなか良いのです。押しが強く、変に人なつこいけどズケズケとした物言いをして、傍目には溢れんばかりのうさん臭さ。コロコロと簡単に『気違い』に変わる二面性の演技も無理が無くて迫力があります。

さて、この映画の中で殺人鬼の村田よりもムカついてしまうのがこの社本という人物なのですが、犯罪に巻き込まれてしまう人物の受動的なあり方が余す事無く描き出されています。社本に当たる実在の人物の何処までがフィクションなのかは分かりませんが、家庭環境はこの映画の為に創作された部分だと思います。犯罪に加担して身を滅ぼす男の姿が容赦なく描かれているのですが、なかなか面白い肉付けがされていますね。

娘や妻と向き合う事も出来ないので、機能不全を起している家庭内。娘が万引きしても、何の指導も出来ない。娘はそんな家庭環境に嫌気が差して村田のオファーに飛びつき家を出ます。プラネタリウムが社本の現実逃避の象徴のように登場するのですが、そこで家庭環境の改善に何一つ勤める事をしなかった社本が甘く夢見るのは、可愛い妻と娘と幸せに仲良くしている様子。

社本は村田に恩を感じてなのか、娘が村田の元にいるからなのか、殺人に加担してどんどん村田の世界に巻き込まれて行きます。引き返せる時点はいくらでもあったのに、受動的な男社本は簡単に流されて行ってしまいます。妻も社本にほぼ愛想を尽かしていて村田と浮気をしてしまうのですが、それがバレたとたんに社本は鬼と化し、自己愛にまみれた行動を起こします。

一見、普通に良心のある良い人に見える社本みたいな男って怖いですね。村田みたいに見るからにうさん臭い気違い男よりタチが悪いかもしれません。実際の事件では犯人夫婦は捕まり死刑が確定しているので、最後の方の展開は創作だと思うのですが、社本がキレるあたりはちょっとあざといくらいに感じてしまいました。でも、その部分が余計に社本のクズさを強調しているんだと思われます。

冷たい熱帯魚 [DVD] / 吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵, 梶原ひかり (出...
冷たい熱帯魚 [DVD] / 吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵, 梶原ひかり (出演); 園子温 (監督)冷たい熱帯魚 [Blu-ray] / 吹越満, でんでん, 黒沢あすか, 神楽坂恵, 梶原ひかり (出演); 園子温 (監督)愛犬家連続殺人 (角川文庫) [文庫] / 志麻 永幸 (著); 角川書店 (刊)
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2012年06月03日

ロシア52人虐殺犯/チカチーロ Citizen X


英語版

ロシア52人虐殺犯/チカチーロ」(Citizen X)は1995年のアメリカのTV映画。ソビエト連邦社会主義共和国で起こったアンドレイ・チカチーロによる連続殺人事件を描いた映画。

これまた制作側の意識をすっかりムシした邦題がついて、「ロシア52人虐殺犯/チカチーロ」だとチカチーロにフォーカスを当てた映画のように思えてしまいますが、ソ連の保守的な旧体制の中で顔の見えない殺人犯を情熱的に追い求めた捜査官の姿を描いた映画です。原題の『Citizen X』(市民X)は、誰だか分からない犯人を市民Xと呼んでいる事から来ています。なので、チカチーロを追う捜査側が中心の熱い男達のドラマ映画です。

日本版の昔のビデオ?のパッケージデザインも『どれだけホラーなグロ映画なんだろう?』とミスリードするようなものになってるので、センセーションで売ってやろう、という嫌らしさが伺えてしまいますね。残念ながら、チカチーロの残虐行為や心理状態にフォーカスを置いている映画ではないので、殺害シーンはお昼のドラマの方が過激なんではないか?という感じです。

あらすじ
1982年モスクワ南部、ロストフ州。検死官ヴィクター・ブラコブ(スティーヴン・レイ)の元へ農場で発見された子供の遺体が送られてきます。もっと仕事をしろとブラコブにせかされて近隣を捜査した警官達は次々に子供と女性の遺体を運び込んできます。事件の異常さを確認した彼は上層部に上申します。

ところが、上層部は「シリアルキラーなんて退廃的な西洋のものだ。社会主義国のソ連には存在しない。」といいはなち、唯一上司のフェチソフ少佐(ドナルド・サザーランド)のみが状況を理解してくれるのみ。ブラコブは主任捜査官の任を押しつけられます。

捜査を進めると、次々と上がる遺体に犯人の異常性は急を要すると認識したブラコブは、情報を集める為のTV公開と捜査員の増員、アメリカの特別捜査に協力を依頼する事を頼みますが、上層部の怒りを買い、上層部は捜査に他の捜査官を追加し、被害者の子供達に男子も含まれた事から彼の意向で「ゲイをしらみつぶしにする」という捜査に乗り出す事になってしまいます。苛立ちを隠せないブラコブに、フェチソフ少佐は上層部と上手くやるのも仕事のうちだと諭します。。。

ソ連の旧体制をみていると、上層部の人達の偏見で全てが決まってしまうやり方に主人公のブラコブ同様イライラさせられてしまいます。(こういうの、会社とかのシチュエーションでも時々ありますね。)無惨な姿で発見される少年少女や女性達を見続けて、「なんとしても捕まえてやる」と休み無く犯人を追い求める、ブラコブの静かで情熱的な姿を応援せずにはいられません。

まだプロファイリングや心理捜査などの無かった時代に自分なりの捜査法を考え、事件現場をなるべく乱さないで出来るだけの証拠を見つけようとする姿勢とか、犯人の行動を考えて電車で移動して駅でターゲットの目星を付けているに違いないとか、ブラコブの新しい試みに古い体質の上層部は全く理解をしめしません。ブラコブは更に心理学者に相談し、彼が分析した心理的な犯人像を描き出してもらうという試みもソ連で初めて取り入れます。

チカチーロが52人も殺害するまで野放し状態になってしまったのにはいくつか理由があるのですが、せっかくいい捜査官が居るのに彼を阻むまったくダメな上層部の人間、そして、1984年に一度捕まったのに、チカチーロが血液型と体液が一致しない「非分泌型」であったため(当時のソ連の血液検査が不十分だったという説もあります)釈放されてしまったという事があります。

アメリカで作られた映画なので登場人物達はロシア人という設定だけど、ちょっと訛りをつけた英語で喋っています。(ちょっとなんだか可愛い感じです。)ドナルド・サザーランドの演じるフェチソフ少佐がとても好人物で、彼がブラコブを理解しようと勤め、サポートして行く姿は、若い人達の新しい風を取り入れる事の出来る古い世代、というこれからのロシアの展望を象徴しているかのようです。

タイトルにビビらずに観ると、男達の熱い情熱ドラマを観る事が出来ます。

ロシア52人虐殺犯 チカチーロ [DVD] / スティーブン・レイ, ドナルド・サザーランド,...
ロシア52人虐殺犯 チカチーロ [DVD] / スティーブン・レイ, ドナルド・サザーランド, マックス・フォン・シドー (出演); クリス・ジェロルモ (脚本); クリス・ジェロルモ (監督)本当に恐ろしい 殺人鬼の世界史 (中経の文庫) [文庫] / 桐生 操 (著); 中経出版 (刊)
posted by 淀川あふるー at 17:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | シリアルキラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年02月05日

エド・ゲイン Ed Gein


英語版(ちょっとホラーなトレーラーなので閲覧注意)

エド・ゲイン」(Ed Gein)は2000年のアメリカ映画。シリアルキラー映画。

エド・ゲイン(映画ではエド・ギーンと呼ばれています)は、ヒッチコック監督の「サイコ」のノーマン・ベイツや「羊達の沈黙」のバッファロー・ビル、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスなどの連続殺人鬼キャラのモデルになっている実在したシリアルキラーです。

シリアルキラーの育つ環境の一つに、幼少期に親から受ける虐待や過度の(変質的な)しつけなどが上げられますが、エド・ゲインもこの例に漏れず、厳格なキリスト教徒で独善的な母親の過剰な教育が背景にあります。体罰だけでなく、性行為を嫌悪する母親による「(自分意外の)全ての女は売春婦で、悪魔の使い」という刷り込みをエド・ゲインは幼少期から受けています。

この母親に認められる為にべったりマザコンで育ってしまったエド・ゲインが、真っ直ぐ普通の人間に育つ訳が無いですね。マザコン・シリアルキラーなので、性の対象は若い女性でなく中年女性で、墓から母親に似た女性を掘り起こしたり(アメリカは土葬です)、事件の被害者も中年女性です。

あらすじ
1950年代、ウィスコンシン州の小さな町プレインフィールドの両親から受け継いだ家に住むエド(スティーヴ・レイルズバック)は、シャイで大人しく、近所の人から信用されて子供達のベビーシッターをしたり、ハンディマンとして仕事をしながらひっそりと暮らしている。最愛の母も数年前に他界し、エドは孤独な生活を送っていた。

性欲を抑圧して生きて来た孤独な中年男エドは、ある夜墓場へ行って最近埋葬されたばかりの遺体を堀り起す。。。

人間の遺体を使ってかなりの数のクラフトを作ってしまった事で有名なエド・ゲインですが、映画ではそこら辺は割とマイルドに描かれています。どちらかというと彼の所行を文章で箇条書きでも読む方が衝撃的なくらい、普通の人間では考えも及ばないような奇行に走ったシリアルキラーです。

ここまで行くのは育った環境だけでなく、本人の素質がかなり重要だと思います。実際、一緒に育った兄もいた訳ですが、モンスターになったのはエドで、兄はエドに殺害されています。(実際には、兄の殺害で起訴された事実はありませんが、兄の死後の状況判断から映画の中ではエドが殺害したというストーリーになっています。)ヤバい種が、その素質をフルに引き出されるような土壌で育ってしまったという感じでしょうか。

のんびりした田舎の、住民誰もがお互いの顔を知っているような地域で実際に起こった、背筋の凍るような連続殺人事件を、実話に近く描いている映画です。

エド・ゲイン [DVD] / スティーブ・レイルズバック, キャリー・スノッジレス, キャロル...
エド・ゲイン [DVD] / スティーブ・レイルズバック, キャリー・スノッジレス, キャロル・マンセル (出演); チャック・パレロ (監督)エド・ゲイン 【DVD】
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2011年07月21日

ハイテンション Haute Tension


フランス語版

ハイテンション」(Haute Tension)は、2003年のフランス映画。シリアルキラー/スリラー/サスペンス映画。アレクサンドル・アジャ監督

あらすじ
マリー(セシル・ドゥ・フランス)は、親友アレックス(マイウェン・ル・ベスコ)の田舎にある実家で試験勉強をするために一緒に行くのだが、夜遅く到着する。長旅に疲れきったアレックスはすぐ眠りにつき、なかなか寝付けないマリーは玄関のベルが何度も鳴っている事に気づく。

マリーが部屋の窓から玄関付近を見下ろすと、そこには男が立っており、応対したアレックスの父親を持っていた凶器で殴りつけた。。。

サスペンスとして面白く作られているのですが、「それは反則じゃない?」というような観客を騙すような誰の視点か後に分からなくなるようなシーンや伏線的なシーンが取り込まれていて、矛盾が鼻についてしまう映画です。そういうつじつま合わせを考えずにお話として最後のどんでん返しの効果を盛り上げているのかもしれませんが、後々制作側のあざとさを感じてしまってちょっと残念です。生々しく迫力のある殺害シーンで男から息を殺して逃げるマリーには、見ている側も息の止まるような緊張感があって盛り上がる分、後で『がくっ』と来ます。確かに一瞬「ハイテンション」なのかもしれませんが、思いっきりテンション下げられてしまいます。

犯人がどうしてそういう残虐な殺人にいきなり走ったのか、そういう説明も全くされていないのも残念です。何がトリガーになって何人も殺害したのか、とか不十分すぎます。ただゲイだったで片付けるには余りにも説明の足りない展開の乏しさ。。。ストーリーをそれだけインパクトがある設定にしたいという事で伏線を最小に控えていたのでしょうが、物語の核である精神的なラインで攻めるんだったら、せめて後付けでもいいから何らかの前提があっても良かったと思われます。

セシル・ドゥ・フランスの演技は後の展開に繋がるのに十分なくらい、映画の恐怖テンションを盛り上げるのに成功しています。恐怖の心理は巧く描かれているのに、観客の騙し方が稚拙なストーリーの描き出し方が残念です。スラッシャーシーンもちょっとあり、グロという程までではないのですが嫌いな方は注意。

ハイテンション [DVD] / セシル・ドゥ・フランス, マイウェン, フィリップ・ナオン, ...
ハイテンション [DVD] / セシル・ドゥ・フランス, マイウェン, フィリップ・ナオン, アンドレイ・フィンティ, オアナ・ペレア (出演); アレクサンドル・アジャ, グレゴリー・ルヴァスール (脚本); アレクサンドル・アジャ (監督)ハイテンション アンレイテッド・エディション [DVD] / セシル・ドゥ・フランス, マイウェン, フィリップ・ナオン, アンドレイ・フィンティ, オアナ・ペレア (出演); アレクサンドル・アジャ, グレゴリー・ルヴァスール (脚本); アレクサンドル・アジャ (監督)
posted by 淀川あふるー at 15:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | シリアルキラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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