2013年03月02日

ダージリン急行 The Darjeeling Limited



ダージリン急行」(The Darjeeling Limited)は2007年のアメリカ映画。ウェス・アンダーソン監督作品。

スピリチュアルな何かを求めて、父親のお葬式の為にインドまでやって来た3人兄弟が繰り広げるドタバタロードムービーです。ビル・マーレイやナタリー・ポートマンが友情出演していて、『あれ?』と言うところで登場しています。

あらすじ
長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)に呼びかけられて、次男ピーター(エイドリアン・ブロディ)と三男のジャック(ジェイソン・シュワルツマン)はインドにやってきます。待ち合わせの列車で顔を会わせる三人。事故に遭って包帯を巻いて登場したフランシスと、暫くお互いの顔を見ていなかった兄弟達はなんだかちょっとぎくしゃくしていて、子供の時の事を思い出しながら、お互いムカついてみたり、ちょっと腹を探るような態度でいます。

彼女との別れを引きずっている小説家志望のジャック、奥さんが出産間近のピーターも何だかいろいろ色々とあって離婚を考えていたり、父親の遺産を巡っても兄弟間で不満が残っていたり、旅をする過程で三人兄弟の現状が少しずつ見えて来ます。

いろいろな問題を起こして三人は列車から放り出されてしまうのですが。。。

イマイチ仲が良さそうでもない兄弟と、なんだか壁のある母親。機能不全を起していたファミリーなんでしょうかね。徐々に彼らの関係が見えてきます。バラバラの家族の絆を、スピリチュアルな国インドで再生させようとする個性的な三人の兄弟を個性派の俳優達が演じています。

絶縁している訳ではないのだけど、お互いがバラバラでイマイチ上手くいかない。そんな家族関係は現実でもよくありそうな話しで、スト−リーに入り込み易いと思います。もの凄い葛藤や争いが登場する訳でもなく、流れに任せた旅で、三人のそれぞれの人生の分岐点となるスピリチュアルな旅が描かれています。

混沌とした中に精神的な世界の混在するなんとも魅力のあるインド、そこを旅する三人の不協和音のする兄弟達。『旅に出たい』となんでだか思わされてしまう映画です。

ダージリン急行 [DVD] / オーウェン・ウィルソン, エイドリアン・ブロディ, ジェイソン...
ダージリン急行 [DVD] / オーウェン・ウィルソン, エイドリアン・ブロディ, ジェイソン・シュワルツマン, アンジェリカ・ヒューストン (出演); ウェス・アンダーソン (監督)「ダージリン急行」オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / サントラ, ジョフール・シーク・テンプル・コングリゲーション, キショレ・クマール, ネルライ・ヴィレッジ・トバドール, キンクス, ウダイプル女子修道院付属学校の尼僧と生徒たち, ザ・ローリング・ストーンズ, ピーター・サーステット, ジョー・ダッサン (CD - 2008)

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2011年07月11日

銀河 La Voie lactée


フランス語版(英語字幕つき)

銀河」(La Voie lactée)は1968年のフランス映画。ルイス・ブニュエル監督作品。

パリからスペインにある聖地サンチャゴまでの巡礼の旅をする初老のピエールと若いジャンの、ちょっとシュールなロードムービー。シュールリアリズム作品で有名なルイス・ブニュエル監督の宗教観が描かれている作品で、監督はこの「銀河」「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」「自由の幻想」を『真実を追究するトリロジー』と呼んだそうです。この「銀河」とは、巡礼者達をヨーロッパからスペインへ導いた道"Way of St. James"(サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路)の事です。

あらすじ
ピエール(ポール・フランクール)とジャン(ローラン・テルジェフ)はフランスからスペインにある聖地サンチャゴまでの巡礼の旅をしています。長い道を歩いたり、途中ヒッチハイクをしたり、レストランで物乞いをしたりしながら旅を続けるのですが、その道すがら様々な人々に出会います。。。

宗派が多いのはキリスト教の特徴ですが、この映画の中ではカソリックの派閥争い、熱狂的な信者達のケンカや狂信的な異端審問、キリスト自身とマリア様などが描かれています。(その宗教の風刺は全て古今の文章から引用されているとあとがきが出てきます。)皮肉な事に、聖地まで巡礼の旅をするピエールとジャンはその旅先で遭遇するこれらの人々と比べるとそこまで宗教心が強そうでもなく、時々盗みも働いてしまううさん臭い放浪者といった感じです。流れ者の二人が行くその先々で出会う奇怪な人々、時代を超えた旅であるかの様に中世の衣装を身にまとった人々が登場し、各々が信じるキリスト教のあるべき姿がそこに登場してきます。

(この映画の場合ネタばれしても鑑賞に影響しないと思うので、ここから少しネタばれします)
さて、この信者達の争いが生んだ派閥、後の世に広まってしまったキリスト教は実際キリストが意図している所とはかなりかけ離れてしまった、という展開がこの映画の核とも言えるオチなのですが、聖書自体キリストが書いた物ではなく後に編集されまとめ上げられた訳で、その過程で既に人によって都合良く解釈され、利用されて来ている訳ですね。映画の最後にキリストが「地上に平和をもたらす為に私が来たと思うな、剣を投げ込む為だ」と信者達に言うシーンが出てきますが、このパラドックスが監督の言わんとしている所なんだと思います。

この映画で描かれているキリストは神格化されたキリスト様ではなく、若く活動中のキリストで、普通に動き喋る人間として描かれています。ある奇跡のシーンが映画の後半で描かれているのですが、盲目の男達がキリストに駆け寄り救いを求めてきます。キリストが彼らの瞼にドロを塗りツバを吹きかけると、とたんに二人は「あなたの顔が見える」と大騒ぎします。そして信者達にはこの奇跡を人に教えるなと忠告し、信者達は不審に思います。ですが、その後のカットで二人が杖を使って道にある溝を確認して避けて歩くシーンが登場し、なるほどと観る側を笑わせてくれます。

そういった監督の皮肉が映画のあちこちに描かれているのですが、ただキリストをあざ笑って侮辱している訳ではなく、現代に住む観客にある種の知恵問答をしているかのような描かれ方です。
「あなたは狂信的?それとも無神論者?」
現代社会の、科学を信じる狂信的ではない一般的なキリスト信者(もしくは私の様にそうでない人)にもこの映画を楽しめる、そんな描かれ方だと思います。

銀河 [DVD] / ポール・フランクール, アラン・キュニー, ローラン・テルジェフ, エデ...
銀河 [DVD] / ポール・フランクール, アラン・キュニー, ローラン・テルジェフ, エディット・スコブ, ベルナール・ヴェルレー (出演); ルイス・ブニュエル (監督)
posted by 淀川あふるー at 17:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ロードムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年07月10日

長い旅 Le Grand Voyage


フランス語/アラビア語、英語字幕版

長い旅」(Le Grand Voyage)は2004年のフランス/モロッコ映画。モロッコ生まれのイスマエル・フェルーキ脚本・監督作品。

フランスに移住した敬虔なイスラム教徒である父のメッカへの巡礼に付き合わされた、フランス生まれの二世の息子のロードムービーです。オンボロ車でフランスからサウジアラビアまで5千キロ以上の旅をします。移民政策でアラブ系移民の増えたフランスですが、この映画では一世である父は出身国の文化や宗教、価値観を持ち続けているのに対し、移住先の国で生まれた息子にはその価値観が分からない、という移民にはよくあるジェネレーションギャップについて描かれています。

あらすじ
フランス生まれのモロッコ人ティーンエイジャーびレダ(ニコラ・カザール)は、父親(ムハンマド・マジュド)のメッカへの巡礼へ運転手として一緒についていく事になります。バカロレア資格のテストは受けられなくなるし、彼女とは離れてしまうので「飛行機で行けばいいのに」と嫌がるのですが、厳格な父には逆らえず一緒についていきます。

頑固な父の指示で高速道路からはずれ地図にはないバックロードを走らされたり、彼女との連絡手段である携帯はゴミ箱に捨てられたり、雪深い山道で休息を取った事が原因で父が凍死しかけたり、メッカを目指して長い旅が続きます。。。

厳しく古い価値観を持ち続ける父親は、息子に自分たちが何処から来ているのかをこの旅で教えたかったのだと思います。イスラムなんて信仰しないし、彼女ももちろんイスラム教信者ではない息子。もちろん、彼女の事は父親には秘密です。移民でなくても親と子のジェネレーション・ギャップはかなりあるのに、西欧カルチャーの中で育ってしまったアラブ系の主人公が父親と経験するギャップはかなりのものだと思われます。

「何で飛行機で行かないんだ」と噛み付く息子に、メッカへの巡礼はその旅の過程にも意味がある事を諭す父親。西欧カルチャーの中で育った息子が想像出来ない、父親の本質であるイスラムの精神や、自分の血の中に流れているものをこの旅で見る事になります。

移民大国アメリカでも、二世、三世のアイデンティティー・クライシスというものが取りざたされますが、自己の確立と自信に直結しているのが「アイデンティティー」で、自分のルーツを理解するという事はとても大事な事ですね。父親と息子、理解し合えなかった二人がこの旅でお互いに歩み寄るのですが、その過程と二人の心の動きの描き方はとても繊細で、余分なドラマと演出は省いた現実味のある描き方がされています。旅をする事によって一皮むける主人公のレダ青年。これぞロードムービーという映画です。
posted by 淀川あふるー at 14:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ロードムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2011年03月31日

テルマ&ルイーズ Thelma and Louise


英語版

テルマ&ルイーズ」(Thelma and Louise)は、1991年のアメリカ映画。アカデミー脚本賞受賞作品。アーカンソー州が舞台なので、皆さん強い南部訛りの英語で喋っています。

女の友情を描いた映画です。二人の全く性格の違う女性二人が旅先で事件に巻き込まれ、逃避行をしながら絆を深め成長する犯罪/ロードムービーです。

あらすじ
アーカンソー州のダイナーのウェイトレス、ルイーズ(スーザン・サランドン)は友達の主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)を週末の小旅行に誘い出します。支配的な夫に旅行に行く事を言い出せず、そのまま出発するテルマですが、旅先で大いにハメを外してはじけてしまい、途中寄ったカントリークラブ/レストランで見知らぬ男に誘われるまま飲んで踊りまくります。

ルイーズがトイレに行っている間に気分が悪くなったテルマは、男と供に外の空気を吸いに出るのですが、そこで男にレイプされそうになります。テルマが念のためにと持って来た夫の所持する銃を使いルイーザが助けに入るのですが、男がかなり侮辱的な台詞を吐いた事に頭に来て撃ち殺してしまいます。。。

初めて付き合った男とそのまま結婚してしまい、主婦を続けてきた世間知らずで能天気なテルマに、映画の中盤まではかなりイライラさせられます。ルイーズが目を離すと直ぐにトラブルを起こしたりヘマをしたり、ろくでもない男達に簡単に引っかかってどんどん状況を悪くして行きます。深刻な状況なのに平気で得体の知れない男と直ぐにいちゃいちゃしたり、自分の置かれた状況を把握出来なかったりします。こういう性格だとストレスが無さそうですね。。。

年上でお姐さん的なルイーズはしっかりしていて、逃避行の計画を立てたりお金を調達したり、テルマに指示をしたりするのですが、度重なるテルマのヘマに心が挫けてしまいます。そこでお気楽主婦が覚醒し、更なる犯行に出るのですが、ジーナ・デイヴィスはこういう覚醒キャラが上手ですね。(ロング・キッス・グッドナイトの覚醒シーンも見事でした。)自分で自分の事を決められず、夫や他人に主導権を握られていた女から、自分で行動する女へと成長します。

かなり危険であてがどんどん無くなる逃避行で、お互いにぶつかりあったりイライラしながら旅を続ける訳ですが、「きゃっきゃっ」という部分を持ち続けて前向きに旅をする所が女性ならではの映画の展開ですね。

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posted by 淀川あふるー at 16:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ロードムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2010年05月30日

イージー・ライダー Easy Rider 



俳優のデニス・ホッパー氏、今日29日に死去されました。今日はデニス・ホッパーの代表作「イージー・ライダー」。

イージー・ライダー」(Easy Rider)は、1969年公開のアメリカ映画。アメリカン・ニューシネマ代表作。 挿入歌、ステッペン・ウルフのBorn to be Wild(ワイルドに行こうぜ)は、日本でもコマーシャルに使われたりしてあまりにも有名ですね。

あらすじ
コカインの密輸で大金を得たワイアット”キャプテン・アメリカ”(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)は、金をフルカスタムされたハーレー・ダビッドソンのタンク内に隠して、カリフォルニアからマルディグラ(謝肉祭のパレード)の行われるニューオリンズ目指して旅に出る。。。

トレーラーを観ても分かるように、アリゾナの赤い大地の一本道をツーリングしたり、バイクでアメリカ大陸横断の旅は観ているだけで爽快です。そしてニュー・オリンズのマルディグラシーンが出てくるのですが、当時のフィルムの色合いといい、若者達がただぶらぶらと楽しんで歩くシーンなのですが、なんだかアートフィルムの様です。

60年代の名残、ヒッピーやその自由気ままに生きている人達が、70年代には消えて行くのを象徴しているかのような映画ですね。

R.I.P


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おまけ★

スクーターって意外に馬力があるんですね。
posted by 淀川あふるー at 13:14 | Comment(0) | ロードムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2010年05月26日

3人のエンジェル To Wong Foo


英語版

3人のエンジェル」(To Wong Foo, Thanks for Everything! Julie Newmar)は1995年製作のアメリカ映画。

ニューヨークのドラッグ・クィーンコンテストで優勝した、3人のドラッグ・クィーン(日本で言うニューハーフの事ですね)がハリウッドへ向かう珍道中を描いたロードムービー/コメディ映画。

あの、クールでタフな黒人アクションスターのウェズリー・スナイプスが、キワドい女装をしてガチムチなおネエになりきっています。(消したい過去の映画になってるんでしょうか。。。?)これまたアクションスター、パトリック・スウェイジの迫力のあるおネエも凄い。。。声に色気があります。かなり本物のおネエの喋り方でびっくりします。

今見ると、この俳優が女装するか??と思ってしまうようなキャストです。痛快。


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posted by 淀川あふるー at 12:04 | Comment(0) | ロードムービー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする