2013年02月02日

エンド・オブ・ウォッチ End of Watch



エンド・オブ・ウォッチ」(End of Watch)は2012年のアメリカ映画。

若手のLAPD(ロサンゼルス市警)警官の活動と、ギャングとの対立を映画いた映画です。

かなり話題になった作品ですが、主演のジェイク・ジレンホールと、パートナーのマイケル・ペーニャの友情に泣ける映画です。ゲットーエリアを主にパトロールするやる気満々のブライアンとマークが、とある捜査からギャング組織の怒りを買ってしまうと言うストーリーです。

導入部でブライアンが自分達の活動を撮影している様子があるのですが、所々で実際に彼らが体験しているような臨場感のあるカメラワークで撮影されています。

あらすじ
元マリーン(海兵隊員)だったブライアン(ジェイク・ジレンホール)とパートナーのマイク(マイケル・ペーニャ)はLAPDの警察官。二人で危ないエリアをパトロールしながら、ギャングメンバーの『運び』を阻止したり、薬を見つけ出したり、火事になった家に飛び込んで子供達を助け出して表彰されたり、どんどん功績を上げて行きます。

いつかは「捜査官になりたい」というブライアンに乗って二人はとある家で、牢に入れられた不法移民達を救出するのですが、そこへICE(不法移民取り締まりの捜査官)が乗り込んで来て追い出されてしまいます。ICE捜査官は、二人がシナロラ・カルテルの牛耳っているエリアに介入してしまった事を告げ、これ以上目立つような行動を控えるように忠告します。。。

途中ブライアンがマイクとの会話の中で「バタフライ・エフェクト」に言及するシーンがあるのですが、ギャング達に恨みを買うまでの行為にそこら辺が表現されているのでしょうかね。血気盛んにどんどん危険に飛び込んで行く二人は、ラテンギャングの恨みを買ってしまいます。

LAに限らず、カリフォルニアではラテンギャングが現在凄い事になっているので、この映画は余計にリアリティがあるのでしょうね。

そして白人とラテン系の警官二人、人種を越えて思った事を言い合えるジェイク・ジレンホールとマイケル・ペーニャの演技がとても良いです。パトロール中は長時間二人きりで車の中にいる訳ですが、口汚い言葉でお互いに腹を割った会話をするシーンが沢山登場します。「こいつとなら危険に飛び込んで行ける」という男の友情と信頼を感じさせてくれます。

警官ものの映画の中でも、少し新しい感じのする映画です。
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2012年11月18日

少年は残酷な弓を射る We Need to Talk About Kevin



少年は残酷な弓を射る」(We Need to Talk About Kevin) は2011年のアメリカ・イギリス映画。原作はライオネル・シュライヴァーの同名小説。

ティルダ・スウィントンが、「ディープ・エンド」に続いてこれまた複雑な立場の母親の好演技を見せていて、メジャーな賞ではないですがヨーロッパ映画賞などを受賞している映画です。

ストーリーは主人公の女性エヴァの現状と、彼女の過去の家庭環境の記憶のフラッシュバックを平行に追いながら進んで行きます。
あらすじ
昔は成功していた旅行作家のエヴァ・カチャドリアン(ティルダ・スウィントン)。今ではみすぼらしい小さな家に住んでおり、何故か家には赤いペンキが悪戯でぶちまけられたり、小さな旅行会社にファイルやコピーをする事務員の募集の面接に行くくらいに落ちぶれています。

エヴァが道を歩けばいきなり女性から罵られてひっぱたかれたり、買い物していてある女性に気づいて棚の裏へ隠れたり、周りに怯えながら過しています。そして彼女は刑務所にいる息子に定期的に面会に行きます。

とてもうら寂しい生活を続ける彼女は、自由に世界を飛び回っていた若い頃から、結婚して息子ケヴィンを授かり、気難しく自分にうまく懐かない彼の成長過程の記憶をフラッシュバックして行きます。。。

「少年は残酷な弓を射る」というとってもネタばれな邦題がついていますが、映画を見た人はかなり様々な反応を見せる映画だと思うので敢えてネタばれで書いてみたいと思います。

*ネタばれ注意*
この映画は少年の学校での大量虐殺を扱った映画です。主人公エヴァは、大量虐殺犯を産んでしまった母親です。この映画の中で焦点になる部分はケヴィンの動機と、何故最後に母親が残ったのか、という部分にあると思います。ケヴィンは事件から2年後、刑務所で母親の問いかけに対して「前は理由が分かっていたけど、今ではもう分からない」と答えています。コロンバインのように別に学校でいじめにあっていた訳でもないケヴィンが、学校の生徒達を殺すどころか妹も父親も殺す事を辞さなかったのに、今まで散々ターゲットにして来た母親だけは殺害していません。

そこで彼の今までの生い立ちをエヴァのフラッシュバックとして映画を紡いで来た効果が出て来るのだと思います。彼は生まれながらにして散々母親を手こずらせて来ています。自由を愛して世界中を旅して来たエヴァが、子供を産んだ事で子供に縛られた生活をするようになり、普通の子より格段に気難しくて扱いずらいケヴィンに振り回されて行きます。産後鬱状態になったり、たまにはちょっと手を挙げてしまったり、すこし距離を置いたような扱いをしてしまったりするのですが、エヴァはかなり理性的な所謂欧米流の子育て、あまり怒鳴りつけたりしない知性的な接し方をします。

エヴァがまだ4歳くらい?のケヴィンに「お前がいなかったら今頃フランスで楽しい思いをしているのに!」とめずらしく怒鳴るシーンが登場します。それに対してかれは母親が旅の思いでで装飾した部屋をめちゃくちゃにしたりするのですが、敢えて母親の自由を奪って自分の意思で縛っておきたい、というような行為をケヴィンは多々見せます。敢えて単純で力関係を理解しておらず、ただ自分の良い面だけを見て味方になってくれる父親に懐いて母親を苦しめたり、子供ながらにして母親の事を恐ろしく理解している、要するに「似た」部分のある母と息子なのですね。母親の愛情がそこにあるのは分かっているのだけど、敢えて彼女を苦しめる事を楽しみます。

また、4歳くらいでおむつが取れず、おむつを替えたとたんにニヤニヤしながら直ぐにいきみ出したケヴィンに怒りが爆発し、ケヴィンを放り投げて怪我させてしまうシーンがあります。普段そこまで本能的な行動をとらないエヴァが見せる爆発シーンなのですが、ケヴィンは父親には理由を伝えず、その事でエヴァにとって共犯的な有利な立場に自分を置いたりします。(恐ろしい子!)でも、普段理性的な母親が自分に感情をぶつけた事を必ずしも悪い事だと取っていない部分に(後に妥当な行為だったと刑務所でケヴィンが語るシーンが出てきます)、彼の歪んだ愛情の受け取り方があるようにも見えます。

バスルームで自慰行為中にたまたま入って来た母親に恥ずかしがるどころか見せつけるようにしてみたり、日頃は関心も無く母親を苦しめる態度をとり続ける彼が本屋で母親の本のポスターを見つめていたり、母親とミニゴルフに嬉しそうに出かけたその後、ディナーに行くのを知っていて先に食べたり、母親の気分を害するような話し方でディナーを台無しにしてみたり、16歳くらいになったケヴィンは更に母親に対する複雑な心理を見せ始めます。

一方、現実に目を向けず、自分の息子の表面に騙されて家庭内の関係を悪化させる父親。悪い人じゃないんだけど愚かな父親は、息子に武器まで与えてしまいます。散々痛めつけて来た愛する母親。歪んだエディプスコンプレックスがそこにある事なんて全く気づく事はない、ある意味純粋な父親は、後にケヴィンに射抜かれてしまいます。

自分の事件で母親を徹底的に苦しませ、孤立させる事に成功したケヴィンは、事前に抗鬱剤(プロザック)を飲んでおり、2年で出所出来る事も計算済みで事件を起こしています。(少年法と精神鑑定を利用しています。)上に書いた、頭のいいケヴィンの計画を既に理解している母親が動機を問いかけるシーンがある訳ですが、ここまであえて共犯的に母親が痛めつけられている事、その上で「今ではもう分からない」という解答が出る訳ですね。夫と娘を失い、自分の人生もほぼ失ってしまった母親は、それでも息子を抱き寄せます。もう、自分とこの息子しかいない、多分ケヴィンが本能的に望んだその世界があるのでしょうね。

不安定な10代の少年の起した事件。何故そこまで熱狂的に何かを遂行出来るのか?彼が自分が起した事件の現場で、そこがまるでステージのように両腕を広げて喝采を受けているかのようなポーズをとるのと、冒頭のエヴァがトマト祭りで真っ赤に染まって人に掲げられて陶酔しているシーンが被ってきます。

トマト、ペンキ、ジャム、服、血などの赤、または何かを潰す行為が繰り返し登場するのですが、殺害シーンなどは敢えて見せないようにしている映画です。生々しい描写を控えて、シンボル的に色や行為を繰り返し登場させる事で緊張感を視覚的に創り出しています。

最後まで緊張感で貫かれている映画です。原作も読みたくなってしまいました。

少年は残酷な弓を射る [DVD] / ティルダ・スウィントン, エズラ・ミラー, ジョン・C・...
少年は残酷な弓を射る [DVD] / ティルダ・スウィントン, エズラ・ミラー, ジョン・C・ライリー (出演); リン・ラムジー (監督)少年は残酷な弓を射る 上 [ペーパーバック] / ライオネル・シュライヴァー (著); 光野多惠子, 真喜志順子, 堤理華 (翻訳); イースト・プレス (刊)少年は残酷な弓を射る 下 [ペーパーバック] / ライオネル・シュライヴァー (著); 光野多惠子, 真喜志順子, 堤理華 (翻訳); イースト・プレス (刊)
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2012年08月02日

スリング・ブレイド Sling Blade


英語版

スリング・ブレイド」(Sling Blade)は、1996年のアメリカ映画。ビリー・ボブ・ソーントン脚本・監督・主演映画。アカデミー脚色賞受賞映画。

所々カールのユニークなキャラクターで笑わせるシーンもあるのですが、とても重い内容の映画です。不幸な少年期を過し、精神病院の中で人生の大半を過した主人公カールが自由の身になって社会に出て、少年と出会う事で人生を少し取り戻すというお話です。

あらすじ
12歳の時にカイザーブレイド(スリング・ブレイド)で母親とその愛人を殺害した、知的障害を持つカール・チルダース(ビリー・ボブ・ソーントン)。中年になって拘束期間を終えた彼は、故郷の小さな町に帰って来る。自由の身にはなったものの受け入れてくれる家族も無く、ぶらぶらと町を散歩してとあるコインランドリーで12歳の少年フランク少年(ルーカス・ブラック)と出会う。

生活をどうすれば良いか分からなかった彼はそのまま病院に戻り、院長に小さな修理屋に紹介してもらい、そこの倉庫で寝泊まりする事になる。カールはフランク少年の家を尋ね、徐々に少年と友情を深めて行く。
フランクはシングルマザーのリンダと、そのボーイフレンドのアル中男ドイルと暮らしているのだが、ドイルはフランクの事を邪魔な存在として横暴に扱っていた。。。

ちょっと人とは違う、大人は彼を見て顔をしかめるような、そんなカールという知的障害を持った中年男性をフランク少年はすんなりと受け入れて、彼に懐いてしまいます。フランクの母親もちょっとおおらかで、彼らや職場の人達と関わる事でカールは徐々に小さなコミュニティの中で自分の居場所を作って行きます。

カールの子供の頃のエピソードがフランクとの会話の中で登場するのですが、子供時代に壮絶な体験をしています。それだからこそ「子供はこういう話しを聞く必要はない」と、喋ってしまった後で慌ててフランク少年に何回も言っています。自分みたいな思いはして欲しくないと、自分と友達になってくれた少年を父親のように庇う側面も見せます。

知的障害をもっていても心は皆と同じように痛みを感じていて、だからこそ自分で聖書を読んで勉強してみたり少年の境遇を思いやってみたり、カールという人物像のその境遇がかなり切なくて、やりきれなさで一杯になります。飄々とした彼の風貌の中に時折見せる傷ついた目つきに、表面上は見えない彼の抱えた闇の深さが伺えるようです。セカンドチャンスで初めて自分の人生を生きて少し幸福を感じる事が出来たのに、誰かの為に彼はそれを投げ捨ててしまいます。

切なさとやり切れなさで一杯になるような映画です。

スリング・ブレイド [DVD] / ビリー・ボブ・ソーントン, ドワイト・ヨーカム, J・T・...
スリング・ブレイド [DVD] / ビリー・ボブ・ソーントン, ドワイト・ヨーカム, J・T・ウォルシュ, ジョン・リッター, ルーカス・ブラック (出演); ビリー・ボブ・ソーントン (脚本); ブランドン・ロッサー (プロデュース); ビリー・ボブ・ソーントン (監督)スリング・ブレイド [Blu-ray] / ビリー・ボブ・ソーントン, ドワイト・ヨーカム, J・T・ウォルシュ, ジョン・リッター, ルーカス・ブラック (出演); ビリー・ボブ・ソーントン (脚本); ブランドン・ロッサー (プロデュース); ビリー・ボブ・ソーントン (監督)

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2012年06月27日

容疑者 City by the Sea



容疑者」(City by the Sea)は2002年のアメリカ映画。

あらすじ
ニューヨーク市警殺人課の敏腕刑事ビンセント(ロバート・デ・ニーロ)は、故郷ロング・ビーチで起こった殺人事件を追うのだが、事件の容疑者が自分の息子ジョーイ(ジェームズ・フランコ)である事が知らされる。ビンセントは妻の浮気などからジョーイが幼かった頃に離婚をしており、息子とは没交渉になっていた。

高校のフットボールでクォーターバックとして活躍したジョーイはドラッグ中毒で落ちぶれており、ずっと会っていない父親に連絡を取る事が出来ないでいた。ジョーイの事を心配してビンセントは奔走するのだが、ビンセントの父親が幼児誘拐殺人犯であった事から、マスコミの風当たりが強くなって来る。。。

父親が殺人犯であった事から、色々な苦労を経て現在の地位を掴んだビンセントのその息子が犯罪者になってしまう、なんだか因果応報的な部分のあるストーリーです。母親と父親の間のゴタゴタで、父親とは疎遠になってしまったジョーイがその後落ちぶれてしまい、どんどん自分に不利な事件に巻き込まれていってしまいます。

自分が住んでいた頃から比べるとかなり退廃してしまったロング・ビーチの町と、落ちぶれてしまった交渉の無い息子が重なる訳ですが、ビンセントは徐々に父親としての行動をとり始めます。息子と父親の不器用な交流のしかたにハラハラさせられる映画です。

お暇な時にどうぞ。

容疑者 デラックス版 [DVD] / ロバート・デ・ニーロ, フランシス・マクドーマンド, ジ...
容疑者 デラックス版 [DVD] / ロバート・デ・ニーロ, フランシス・マクドーマンド, ジェームズ・フランコ (出演); ケン・ヒクソン (脚本); マイケル・ケイトン・ジョーンズ (監督)容疑者 デラックス版 [ロバート・デ・ニーロ]▲中古DVD【中古】[H]

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2012年06月21日

狂気の行方 My Son, My Son, What Have Ye Done?



狂気の行方」(My Son, My Son, What Have Ye Done?)は2009年のアメリカ映画。デヴィッド・リンチ製作総指揮、ヴェルナー・ヘルツォーク監督作品。

1979年にサンディエゴで実際に起こったUCSDの卒業生マーク・ヤヴォースキーによる母親殺しを元に作られた映画です。トレーラーにも出ていますが誰がやったのか、どうやってやったのかというサスペンスではなく、『どうしてやったのか』という部分にストーリーはフォーカスされています。

デヴィッド・リンチがプロデューサーに名を連ねるだけあってそれらしいシーンもあるのですが、ストレートに主題を追っている映画です。

あらすじ
若い男が女性を殺したという知らせを受け、現場へ向かうハヴェンハースト刑事(ウィレム・デフォー)と相棒のヴァーガス(マイケル・ペーニャ)。現場の人だかりをかき分けて家の中へ向かった二人とすれ違いに、ブラッド・マッカラム(マイケル・シャノン)はコーヒーカップを片手にその場を立ち去る。

被害者はミセス・マッカラム。すれ違いで立ち去った息子のブラッド・マッカラムが実の母親を近所の人の家で殺害してから、人質を取って自宅に立て込もった様子であった。

男の婚約者と名乗る女性イングリッド(クロエ・セヴィニー)を警戒態勢の自宅前で見つけ、彼女から事情を聞き取り始める。。。

母親が息子を過干渉、過保護に育てるとどうしてもどこかが歪んでしまうのでしょうか。細かい所にいちいち口出したりする子離れの出来ない母親の、『誰よりも息子の事を分かっている(多分本人よりも)』という自信満々の態度が所々で描き出されているのですが、息子に殺害されてしまいます。心の闇は全然見えていなかったのでしょうね。

他者の話しから聞き出すブラッドの事情や行動から、彼を描き出しているという構成を取っています。もともと凶暴な素質は見当たらないブラッドが、旅先のペルーで神の声を聞いて難を逃れた事から少しずつ狂い始めて行き、所属していた劇団で演じていたギリシャ悲劇と自分を重ねて行ってしまいます。

強い憎しみからの殺意というより、心の中の葛藤が究極の形で出てしまったのでしょうか?得体の知れない息子という存在の何とも言えない不気味さが残ります。

狂気の行方 [DVD] / マイケル・シャノン, ウド・キア, ウィレム・デフォー, マイケル...
狂気の行方 [DVD] / マイケル・シャノン, ウド・キア, ウィレム・デフォー, マイケル・ペーニャ, クロエ・セヴィニー (出演); ヴェルナー・ヘルツォーク (監督)
posted by 淀川あふるー at 17:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 犯罪/ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年05月30日

ディープ・エンド The Deep End



ディープ・エンド」(The Deep End) は2001年のアメリカ映画。

17歳の息子が30歳の彼氏と付き合っている事に口を挟んでしまった事から、平和な日常が一気に乱されてしまうという映画です。軍の輸送機のパイロットである不在の夫の埋め合わせをするかのように、家族を守ろうとする気持ちが強く出て息子の為を思ってした行動なのでしょうが、何とも言えない結果を招いてしまいます。

あらすじ
マーガレット(ティルダ・スウィントン)はカリフォルニア州のレイクタホに3人の子供と義父のジャックの5人で暮らし。夫は仕事で不在がちなので、マーガレットは主婦として子供達の面倒や義父の面倒をみています。マーガレットはある日、息子のボウがゲイでリノにあるクラブ「The Deep End」のオーナーのリースと付き合っている事を知ります。

リースの元を訪れたマーガレットは「息子に近づくな」と相手に要求するのですが、リースはその晩マーガレットの家にあるボートハウスでボウと密会します。ボウと口論になり、殴り合いになるのですが、ボウはリースを残してボートハウスを去ります。ボウの後を追いかけようとしたリースは湖に落ちて、そこにあった錨が運悪く刺さってしまいます。

翌朝、リースの死体を発見したマーガレットは、死体を湖に捨てに行きます。。。

一見幸せそうな家族。でも、事が起こった時の対応を観ていると、全くコミュニュケーションの取り方がなっていないせいで、憶測と勝手な判断で事態は悪い方に進んでしまいます。母親の愛が不味い方向に向いてしまう訳ですね。「息子を思うばかり」と言えば美しく聞こえてしまいますが、息子のカバーに走って自滅しそうになってしまいます。

中の上くらいの暮らしをする、父親が軍関係に勤めているからには多分厳格な家庭で、『ゲイ=隠すべき事と』母親は判断してしまいます。夫が仕事でなかなか連絡が取れない、というのもあるかもしれませんが、彼女の判断で息子とあまり向き合わずに行動してしまいます。

自分で一手に引き受ける『良いお母さん』なのでしょうが、その彼女の偽善的というか独善的な部分にもやもや〜とさせられてしまいます。遺体を見て何が起こったのか状況を確認する前に、息子がやった(だけど本人の口からは聞きたくない)みたいに速反応する所もなんだかな、と思ってしまいます。

彼女には好都合のエンディングを迎えるのですが、そこを含めて色々考えさせられてしまう映画です。

posted by 淀川あふるー at 15:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | 犯罪/ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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