「運命のボタン」(The Box)は2009年のアメリカ映画。原作はリチャード・マシスンの短編小説。SF/サスペンス映画。
幸せに暮らす家族。もちろん、お金に困ったり、普通に悩みや抱えている問題もあるのだけど、直ぐにどうにかなってしまうような程の事ではない。そんな家族の元へ、奇妙なオファーが来ます。「このボタンを押せば100万ドルを手に入れることができる。しかし、世界のどこかに住んでいる貴方の知らない誰かが死ぬことになる。」という条件付きで。
さて、そこまで不自由している訳ではないファミリーの選択はいかに?という映画です。なかなかハラハラさせる展開で、「旨い話しには絶対オチがあるよね」と思いながらぐいぐい引き込まれてしまう映画です。
あらすじ
1976年。教師のノーマ・ルイス(キャメロン・ディアス)とNASAで働くアーサー・ルイスには息子のウォルターがおり、幸せに暮らしています。ある朝、奇妙なボタンの入った箱が家に届けられ、そこには「ミスター・スチュワードが午後5時にお伺いします」というノートが添えられています。
何かの冗談だと思っていたノーマの元へ、アーリントン・スチュワード(フランク・ランジェラ)と名乗る中年の顔が崩れた男がやってきて、このボタンを押せば報償として100万ドルが与えられる事、そして彼女達の知らない誰かが死ぬ事、24時間以内に決断できなかったり、この話しを夫以外の誰かに話したら取引は無効になる事を告げ、スーツケースに入った100万ドルの札束を彼女に見せます。
帰って来た夫に告げ、二人はボタンを押すか押さないかを悩み始めます。。。
面白いのが、たいして生活に不満がある訳ではなく、経済的に少しヤバい(としても大きな家に住む事が出来るくらい)の主人公カップルにこのお話がくる所です。ノーマは「子供の学費が」とか「将来の生活に余裕ができる」と自分と家族の事を中心に考えて、その他の『死んでしまう』他人の事情なんてどうでもいいとボタンを押してしまいます。
面白いのが同じオファーを貰った似たような状況のカップルも、女性がボタンを押してしまう所です。現実的に家族の事を思っているのだけど、そこには『自分達家族さえ良ければいい』というエゴが見えて来る訳ですね。だからそのエゴにあるべき形の因果応報を受けるような結末を迎えてしまう訳ですが、なかなか考えさせられます。
ノーマは自分が障害を足に持っていて苦労していますが、それでも自分の事を凄く愛してくれる夫や可愛い息子、優しい両親にも恵まれて、端から見れば普通に恵まれた人生を歩んでいます。悪い人ではないし、可愛い妻なのだけど、自分の現状がどれだけ事足りていて幸せかを考えずに更に欲をだしてしまう、「もっと欲しい」という嫌らしくも人間的な欲望が見えてしまいます。
オチにゾワゾワくるものがある映画です。
まだ見ていない人はお早めに。
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