2012年03月08日

クリスチーネ・F Christiane F. – Wir Kinder vom Bahnhof Zoo


デヴィッド・ボウイのコンサートシーン。とってもかっこ良く登場します。

クリスチーネ・F」(Christiane F. – Wir Kinder vom Bahnhof Zoo) は、1981年の西ドイツ映画。原作はクリスチーネ・F(クリスチアーネ・ヴェラ・フェルシェリノヴ)の自伝です。

「サーティーン」という映画が2003年にアメリカで作られて、当時13歳の娘さんがいた知り合いからその映画の感想を聞いた事があります。「最近の子は13歳くらいでこの映画みたく悪くなるのよ〜〜。もう、なんでもやっちゃう子がいて、娘のクラスの子が素行が悪くなって学校来なくなったと思ったら、お腹大きくして昼間からモールでウロウロしてたわ〜〜。」なんてお話を聞いて、そういう子がいるのに衝撃を受けた覚えがあります。もちろん、皆がそうなるわけではないのですが、非行に走る一定の子供の年齢が低下しているのですね。

この「クリスチーネ・F 」は1981年に作られているのですが、70年代後半から80年代初期のベルリンが舞台です。その当時既に子供達がドラッグ中毒になって、体を売りながら薬を買うお金を稼いでいる現実があったのですね。13歳の(映画の途中で14歳の誕生日を迎えます)主人公クリスチーネが、あどけない可愛い顔に濃い化粧を施して夜遊びを始めてしまうのですが、あれよという間に薬にハマってボロボロになっていく姿が、まるでドキュメンタリーの様に克明に描き出されています。

あらすじ
シングルマザーの母親と妹と3人で暮らすクリスチーネ(ナーチャ・ブルンクホルスト)。ある日妹は父親と暮らす為に家を出て行ってしまいます。友達とクラブに行って夜遊びを覚えてしまったクリスチーネ。渡されたLSDで最初は吐いたりしていたのですが、どんどんそのクラブシーンに馴染んで行き、薬にも抵抗が無くなってしまいます。

そこでデトレフ(トーマス・ハウシュタイン)と出会い、彼に恋心を抱くのですが、デトレフやその友達アレックスはヘロインを買う為に体を売ったりして暮らしています。デヴィッド・ボウイのコンサートの帰り、クリスチーネはお金を得る為に血を売った友達にヘロインを買ってあげる為にお金を渡し、「ヘロインはやめろ」という彼らを押し切って「一回だけだから」と鼻から吸引してハイになります。。。

シングルマザーの母親との関係は悪くはないのですが、母親にボーイフレンドが出来てクリスチーネはネグレクト気味にされます。13歳くらいだと反抗心は芽生え始めても、まだまだ親の注意を惹きたい年齢ですね。クリスチーネはそんな母親にあたるのではなく、外にどんどん出て行ってしまいます。そして、母親はほぼ不在の存在として映画にはあまり登場してきません。恋人に夢中で、娘の変化に気づかないのでしょうか。

まだ何も分かっていない13歳くらいの少女だからこそ、怖いもの無しで薬にも気軽に手を出してしまう。「1回だけだから中毒になんてならない」そんな甘い事を言っているうちに、蟻地獄にはまった蟻の様にずるずるとジャンキーになっていってしまいます。「トレイン・スポッティング」のようにコメディ演出がある映画では無い分、彼女の生活は生々しくて救いの無さが目立ちます。

監督のインタビューの中で、ベルリンの学校を尋ねて1000人くらいの中からクリスチーネ役のナーチャを探し出した事が語られているのですが、素人で、薬ももちろん使った事も無い13歳の少女が、かなり迫真の演技で落ちぶれていきます。薬が切れた時のピリピリとした雰囲気や、ハイになっている時の廃人手前の表情。初めは綺麗であどけなさが残る顔に、時々見せる繊細そうな表情の演技をしていたナーチャが、見る見るうちに崩れて堕ちて行く様が凄い迫力です。あまりに痛々しくて、見ていて苦しくなるくらいです。

ドロドロの底辺で生きる少年少女達。そこに落ちてしまった理由が何であれ、彼らが自ら抜け出せる道はないんだよ。良識ある大人達が不在の、もしくは監督が言う様に大人が無視して素通りしていく空間で生きる彼らは、まるで底なし沼に落ちた様に見えてきます。大人達に現実を無視して欲しくない、素通りして欲しくない、そんな気持ちがあるから、彼らの有様を包み隠す事無く描き出しているのでしょうね。

クリスチーネ・F [DVD] / ナーチャ・ブルンクホルスト, トーマス・ハウシュタイン, デ...
クリスチーネ・F [DVD] / ナーチャ・ブルンクホルスト, トーマス・ハウシュタイン, デヴィッド・ボウイ (出演); ウルリッヒ・エデル (監督)Christiane F. [CD, Soundtrack, Import, From US] / David Bowie (CD - 2001)


posted by 淀川あふるー at 17:42 | Comment(1) | TrackBack(0) | ヒューマンドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クリスチアーネの続編、邦訳出ていますよ。
よろしければ。

『クリスチアーネの真実 薬物依存、売春、蘇生への道』
クリスチアーネ・V・フェルシェリノ/ソニア・ヴコヴィッチ 著 中央公論新社
Posted by SA at 2015年03月21日 08:13
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