2012年02月21日

六つの心 Cœurs



六つの心」(Cœurs)は2006年のフランス映画。アラン・レネ監督作品。ヴェネチア映画祭受賞作。原作はイギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンの「Private Fears in Public Places」

パリに住む六人の男女のお話です。何気ない日常を描いている作品なのですが、そこには都会に生きる孤独を抱えた男女達の姿が描かれています。

登場人物

ティエリー(アンドレ・ドゥソリエ) 不動産業を営む中年男性

シャルロット(サビーネ・アゼマ) 信心深いティエリーの同僚。リオネルの父親の世話をする。

リオネル(ピエール・アルディーティ) ホテルのバーのバーテンダー。ダンの良き話し相手。

ガエル(イザベル・カッレ) ティエリーの妹。出会い系の広告でダンと出会う。

ダン(ランバート・ウィルソン) 元軍人の無職の男。バーに通いづめ、ニコールに愛想を尽かされる。

ニコール(ラウラ・モランテ) ダンの恋人。アパート探しでティエリーの不動産屋に来る。

あらすじ
ティエリーはニコールに三部屋あるアパートを紹介するのですが、それは二部屋の間取りを無理矢理三部屋にした、こじんまりとしたアパート。恋人のダンがどうしても書斎が欲しいというので三部屋の物件を探しているのですが、ニコールは働かないで飲んでばかりいるダンに次第に嫌気がさしてきます。

一方ティエリーは、同僚シャルロットから、彼女の好きなTV番組で著名な人々の『心に響いた音楽』を紹介する番組を自分で録画したビデオを貸してもらう。少し宗教がかっていて退屈な番組を嫌々見終わると、そこにはセクシーで挑発的な下着姿の女性(シャルロット)が映し出される。

兄のティエリーには友達と会うと言って毎晩出かけるティエリーの妹ガエルは、出会い系に広告を出し、相手に会う為に近所のカフェに出かけては誰にも出会えずに家に帰ることを繰り返していた。。。

同じスペースを共用していてもお互いの心の寂しさは分からない、そんな男女が登場します。個人の抱える孤独を象徴するかの様に、部屋の壁や敷居、バーに垂れ下がっているビーズで出来たのれん、同僚と自分のスペースを分けるガラスの敷居など、空間を隔てるものが繰り返し登場してきます。

兄弟だったり、同僚だったり、恋人同士であっても、その埋められない孤独が各々の中に存在していて、個人のスペースは隔てられている。視覚で感じるそのスペースの隔たりが、登場する格人物の心理的な隔たりを強調しています。

そして雪も象徴的に使われていて、各登場人物の肩に降り積もる雪はまるで『その孤独は皆同じなんだよ』とでも言いたいかの様です。部屋の中に入ってもなかなか溶けないその雪は、時には部屋の中に実際にハラハラと舞い降りてきたりします。

人と人の繋がりの希薄さ、そして孤独を抱えた人達を優しい目で描き出している、そんな映画です。

六つの心 アラン・レネ [DVD] / サビーネ・アゼマ, イザベル・カッレ, ラウラ・モラン...
六つの心 アラン・レネ [DVD] / サビーネ・アゼマ, イザベル・カッレ, ラウラ・モランテ, ピエール・アルディーティ, アンドレ・ドゥソリエ (出演)
posted by 淀川あふるー at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ヒューマンドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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