2012年02月09日

モディリアーニ 真実の愛 Modigliani


英語版

モディリアーニ 真実の愛」(Modigliani) は2004年のアメリカ/フランス/ドイツ/イタリア/イギリス/ルーマニア合作映画。

絵画は実際に見るのと画集で見るのとではまったく違って見える場合が多いですが、その中でもモディリアーニの絵は実際に見ると女性の肌の体温が伝わって来るような暖かみのある色で、輝いているようだったのを覚えています。アフリカの木彫りのマスクのようなちょっとデフォルメされた顔に瞳の無い目、長く引き延ばされた首が特徴的な彼の画風は、当時の「〜イズム」が流行っていた時代に独自のスタイルで描き出された人物像が多いです。

画家を描いている映画は、作品から画家本人を想像させる場合、画家本人の人生からその画風を描き出す場合、画家の生きていた時代の歴史的な背景からその作風や人生を描き出す場合、とだいたい作家とその画風を考察させるような作品が多いのですが、この「モディリアーニ 真実の愛」は、かなり誇張された演出で実際の史実とは全く関係ない逸話が盛り込まれて創作された映画です。画家の作風への考察や理解が見られない残念な作品です。

(ネタばれ)
酔っぱらいで、薬中で、女泣かせで責任感が無いモディリアーニが、(自滅的な彼の人生スタイルは実話に近いですが)ユダヤ人である事から子供をもうけたガールフレンドのカソリックの父親に反対され、絵も売れず貧乏な暮らしをして肺結核に苦しみ、ライバルピカソを倒してコンペで絵が評価を受けた時には無賃飲酒で殴り殺されてしまうという(実際は結核性髄膜炎で亡くなっています)、メロドラマに描かれてしまっています。

監督自身が「大衆向けのエンターテイメント」要素を取り入れたと説明したそうですが、かなり馬鹿げた演出がされていて、ピカソ、ディエゴ、ユトリロ、モディリアーニなどの巨匠たちの「ガチンコバトル」が登場します。スタイルも、追求している物も全く違う著名な画家達をコンペで競わせて優劣をつける、アートを理解している監督だったら考えつきもしないような悪趣味な演出ですね。そして、ピカソとモディリアーニがライバル(これも真実ではありません。)としてやり合っている姿がなんだかウェスタン映画風に描かれています。実際に評論家が酷評するのも分かるような残念な作りになっています。

ラブロマンス映画として観れば悪くは無いのですが、それだったらわざわざモディリアーニである必要も無いので、せめて彼の人生を描くなら彼の絵画、アートについてちゃんと関連づけて描き出して欲しかった。。。手に絵の具を付けてキャンバスに向き合っていれば画家みたいな描かれ方に虚しさを感じます。

残念。残念。残念。

モディリアーニ 真実の愛 [DVD] / アンディ・ガルシア, エルザ・ジルベスタイン, オミ...
モディリアーニ 真実の愛 [DVD] / アンディ・ガルシア, エルザ・ジルベスタイン, オミッド・ジャリリ (出演); ミック・デイヴィス (脚本); ミック・デイヴィス (監督)モディリアーニ~真実の愛~ オリジナル・サウンドトラック [Soundtrack] / ガイ・ファーレイ (作曲); ガイ・ファーレイ (指揮); エディット・ピアフ, キーディー (Vocals) (CD - 2005)


posted by 淀川あふるー at 16:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | アート系 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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