2011年05月24日

フレイルティー 妄執 Frailty


英語版

フレイルティー 妄執」(Frailty)は2001年のアメリカ映画。ビル・パクストン監督/出演作品。犯罪/ドラマ/サスペンス

フレイルティー(Frailty)にはいくつか意味があるのですが、この映画の意味では道徳的弱点とか欠点という意味が一番しっくりきます。「神の手」(ゴッドハンド)と呼ばれるシリアルキラーにまつわるお話なのですが、俳優のビル・パクストン(お父さん役で登場します)の初監督作品です。普通のシリアルキラー映画は己の欲求から犯行を起こしますが、この映画のシリアルキラー"ゴッドハンド"は神によって任された任務を遂行する、という設定です。

主人公がFBI捜査官に弟の犯行を証言しに来ている段階で、ある程度ストーリー展開に予測がついてしまうにも関わらず驚かせてくれるエンディング、過去と現在を行き来するストーリー展開の無駄の無さ、脚本の良さと監督のセンスが光ります。

あらすじ
ゴッドハンド(神の手)と呼ばれる連続殺人犯の捜査をしている、テキサス州ダラスのFBIのドイル捜査官のもとへフェントン・ミークス(マシュー・マコノヒー)が現れ、自殺した弟のアダムがゴッドハンドに違いないと弟の犯行を供述しに来ます。フェントンはアダムとの子供の頃の約束で、遺体をローズガーデンに埋める為に弟の遺体と救急車を盗んだ事を話し始め、ドイル捜査官は半信半疑でフェントンの話に耳を傾け始めます。

話はフェントンの幼少時代から始まります。母親が亡くなり、父親と弟のアダムの3人でそれなりに楽しく暮らしていた事、所がある日父親が悪魔達を倒す様に「神の啓示」を受け、斧、手袋、鉄パイプの3つの特別な道具と「悪魔の名前のリスト」も天使からもたらされます。それなりに幸せだった生活は一変し、「悪魔」達を誘拐しては神の名に置いて始末し、遺体をローズガーデンに埋める日々が来ます。。。

観てる側は、「子供に殺しを手伝わせるとは、何て親だ!」というのが普通真っ先に出る感想だと思うのですが、それ故父親の狂信的な行動に不快感がずんずん募って行きます。子供の頃のフェントン役のマット・オリアリー君の演技がとても良いのですが、普通の男の子がある日いきなり変わってしまった父親に戸惑いながらも、自分の普通の感覚を捨てずに父親に反抗する少年を上手に演じています。悪魔認定された人々を「人間」として観ているのは、3人の中でフェントンだけです。

さてここでタイトルの「フレイルティー」に意味が出て来るのですが、神の名の下に悪魔認定された人々を抹殺する行為に対しての、道徳的なおかしさがまず初めに浮かびますね。。。(ここがこの脚本の巧妙な所ですね。)神が自分に語りかけ、自分を選んで任務を任せてくれたのだと信じて疑わない父親は、二人の幼い息子達を巻き込み気違いじみた殺人を続けていきます。

そしてその父親を演じるビル・パクストン、良いですね。気違いの様になりながらも息子達には愛情がある部分が垣間見えたりします。斧を持った姿にちょっと「シャイニング」のジャック・ニコルソンを思い出してしまいますが、あそこまでぶっ飛んではいません。「悪魔≠人間」の信条の元に、殺人ではなくあくまでも悪魔退治に励む父親です。

グロシーンは少なく、心理的なサスペンスがお好きな方向けの良質なシリアルキラー映画です。

フレイルティー 妄執 スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD] / ビル・バクストン...フレイルティー 妄執 スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD] / ビル・バクストン, マシュー・マコノヒー, パワーズ・ブース, マット・オリアリー, ジェレミー・サンプター (出演); ブレント・ハンレイ (脚本); ビル・バクストン (監督)


posted by 淀川あふるー at 17:31 | Comment(0) | TrackBack(1) | シリアルキラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

フレイルティー/妄執 (Frailty)
Excerpt: 監督 ビル・パクストン 主演 マシュー・マコノヒー 2001年 アメリカ映画 100分 サスペンス 採点★★★★ ネタバレしないで書く自信は全くございませんので、ご注意を。 「聖書に書かれてあるこ..
Weblog: Subterranean サブタレイニアン
Tracked: 2011-05-24 19:54
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。