2012年01月30日

カポーティ Capote


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カポーティ」(Capote)は、2005年のアメリカ映画。作家のトルーマン・カポーティが代表作の『冷血』 を取材し書き上げるまでを描いた伝記映画。アカデミー賞で主演男優賞をフィリップ・シーモア・ホフマンが受賞。

カポーティってゲイだったんですね。当時にしては珍しくオープンにカムアウトしていたようです。フィリップ・シーモア・ホフマンの演じているカポーティはとっても特徴のある喋り方をしていて、ソフトなようでとても操作的、話術に長けていて周囲の注目を浴びる事が大好きだけど、空気を良く読んで他人とのコミュニュケーションが上手、とても繊細だけど基本的に相手を信用してなさそうなところなど、とても複雑なキャラクターです。

カポーティは「冷血」という小説でノンフィクションというジャンルを打ち立てる訳ですが、殺人犯ペリー・スミスとの密なやり取り(実際は手紙でやり取りする事が多かったそうですが)、相手を小説の題材として見ていたカポーティが徐々にペリーと自分との共通点を見出し、心理的に深入りしてしまう過程が描かれています。

あらすじ
1959年、カンザス州の小さな町で一家4人が惨殺されるという事件が起こる。『ティファニーで朝食を』で成功を収め、作家としての地位を築いていたカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は新聞記事で事件を知り、次の小説の題材にとハーパー・リー(『アラバマ物語』(To Kill a Mockingbird)の作者です。)と共に現地に向かい、取材を始める。

アルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)を含めた地元の捜査官達には、そのちょっと奇抜なファッションなどから敬遠されてしまうのだけど、彼の妻と上手く仲良くなり、捜査の状況についてなどの情報を入手する。デューイのもとに情報が入り、ペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)とディック・ヒコック(マーク・ペルグリノ)が逮捕される。

カポーティは上手にペリー・スミスに近づき、巧みに彼の信用を得て、彼の生い立などを聞き込み始める。。。

彼を冷静に観察し続けるカポーティが、殺人犯ペリーと自分の事を比べて「同じ家で生まれた。一方は裏口から、もう一方は表玄関から出た。」という台詞が登場します。実の親に育てられずに幼少期を転々とした自身の体験と同じようなペリーの複雑な家庭環境などを照らし合わせ、徐々に所謂『殺人鬼』というタイプではない繊細な所のあるペリーに惹かれていきます。

もちろん小説の題材として彼に近づいている訳ですから、手八丁口八丁で巧みに彼を操作する冷酷さがカポーティにはあります。ペリーを題材にした小説のタイトル「冷血」(In Cold Blood)が、ペリーの事なのか、カポーティの事なのか分からなくなるくらい、自身の名声の為に殺人鬼とはいえ相手を騙す小説家の巧みなやり方が描写されていきます。優しく、深く、相手の懐に入って行く彼の手腕は、殺人鬼とはまた別の冷血さが現れています。殺人鬼に負けないくらいのダークさがあるカポーティのやり方に、ジワジワと来るものがあります。

冷酷に、でも繊細に殺人鬼ペリーの事を追い続けるカポーティを演じているフィリップ・シーモア・ホフマンは、複雑で多面的なカポーティの人物像に迫っています。社交界で目立つ事が好きで、水を得た魚の様にお喋りの中心人物になったり、「喋り方にコンプレックスがある」と言いながらも、巧みな話術で上手に人に近づいて相手を魅了したり、殺人鬼のストーリーを売るための努力を惜しみなくする反面、ペリーを騙すような行為に自責の念を感じたり、一筋縄では行かないカポーティのその強烈な個性を見事に表現しています。

とても見応えのある映画です。

カポーティ コレクターズ・エディション [DVD] / クリフトン・コリンズJr., キャサリ...
カポーティ コレクターズ・エディション [DVD] / クリフトン・コリンズJr., キャサリン・キーナー, フィリップ・シーモア・ホフマン, クリス・クーパー (出演); ベネット・ミラー (監督)カポーティ &冷血 マスターピース・コレクション (初回生産限定) [DVD] / フィリップ・シーモア・ホフマン, キャサリン・キーナー, クリフトン・コリンズJr, ロバート・ブレイク, スコット・ウィルソン (出演); ジェラルド・クラーク, トルーマン・カポーティ (原著); ベネット・ミラー, リチャード・ブルックス (監督)冷血 (新潮文庫) [文庫] / トルーマン カポーティ (著); Truman Capote (原著); 佐々田 雅子 (翻訳); 新潮社 (刊)
posted by 淀川あふるー at 18:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 伝記 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年01月29日

ソイレント・グリーン Soylent Green


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ソイレント・グリーン」(Soylent Green)は1973年のアメリカ映画。ハリイ・ハリスンの小説『人間がいっぱい』がベース。リチャード・フライシャー監督作品のSF映画。

TCMというクラシック映画を流しているチャンネルがあるのですが、たまたまチャンネルを回したら始まったので見入ってしまいました。音楽といい俳優さん達の喋り方といい、とってもクラシックな味わいのあるSF映画です。セットは所々未来的な小物なんかが登場して来て、マック?の様な白いコンピューター??とか、意外に凝っています。

人口の増加と環境破壊によって荒れ果ててしまった未来が舞台です。

あらすじ
2022年、ニューヨーク。人口増加によって資源が枯渇し、肉、野菜、果物などの食料が高級品になり、人口の大多数を占める貧しい人々の手には入らないような世界になっており、ソイレント社の配給物資に頼る日々を送っている。ソイレント社で新しく作られたプランクトンからの加工食品「ソイレント・グリーン」が配給され始める。

ニューヨーク市警のソーン刑事(チャールトン・ヘストン)は、捜査のリサーチを助けてくれる元学者の同居人の老人・ソル(エドワード・G・ロビンソン)と慎ましい生活を送っている。ある日、殺人事件が起こり、ソーン刑事が現場へ向かい調査を始めるが、殺害されたのはソイレント社の幹部ウィリアム・シモンソン(ジョゼフ・コットン)であった。

シモンソンの愛人(家具の様にアパートについて来る)に事情調査をし、ソイレント社の本や、高級品とされる石鹸や酒などもついでに持ち出し、ソーン刑事の捜査が始まる。。。

さて、実際に人口爆発中の国がいくつも存在している現在、そのうち人口問題がとんでもない事になるであろうことは予期されているのでかなり現実味のある設定のSF映画です。あまりの人口の多さに食料が間に合わず、資源も間に合わず、水も配給待ち、発電も自分でしなくちゃならないような未来。貧富の差が激化していてお金持ちはシャワーのお湯も使い放題の高級アパートに住み、貧乏人はボロアパートの廊下や教会で寝泊まりしています。

あまりにも人が多いので人間の命の価値が落ちているのでしょうかね。綺麗な女の子が家具の様にアパートと一緒について来るサービスがあったり、ソイレント・グリーンを求めて暴徒と化した民衆は、シャベルカーで石ころの様に掬い上げられてしまいます。

そして面白いのが『公営安楽死施設』なる物があって、自分の死を選択出来る事になっている所です。最後を迎える為にいくつかの質問に答え、好きな音楽を選び、巨大スクリーンのある部屋でかつての美しい地上の景色を見ながら死んでいく事が出来るというサービスです。年老いていたり、貧しかったり、にっちもさっちもいかなくなった人が利用するのでしょうかね。人口が増え過ぎたら、お金持ち以外にはよい未来では無さそうな所がなんだか現実味があって怖い映画です。

古い映画なのですが、なかなか面白かったです。

ソイレント・グリーン [DVD] / チャールトン・ヘストン, エドワード・G・ロビンソン (...
ソイレント・グリーン [DVD] / チャールトン・ヘストン, エドワード・G・ロビンソン (出演); スタンリー・グリーンバーグ (脚本); リチャード・フライシャー (監督)ソイレント・グリーン 特別版 [DVD] / チャールトン・ヘストン, エドワード・G・ロビンソン, リー・テイラー・ヤング, チャック・コナーズ (出演); スタンリー・グリーンバーグ (脚本); リチャード・フライシャー (監督)


posted by 淀川あふるー at 17:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年01月28日

銀河ヒッチハイク・ガイド The Hitchhiker's Guide to the Galaxy


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銀河ヒッチハイク・ガイド」(The Hitchhiker's Guide to the Galaxy)は2005年のイギリス/アメリカ共同制作映画。原作は同名タイトルのダグラス・アダムス作のコミックSF作品。

とっても奇想天外な宇宙ヒッチハイカーのお話です。なんと「あ!?」という間に地球が消滅してしまいます。かなり『おとぼけ』な感じのするSF映画で、スリルではなく笑いを呼びます。

登場するエイリアン達もかなり凝っていて面白く、耳につっこむと宇宙の他言語が理解出来る『翻訳魚』とか、人間の感情の入った『鬱病持ちのロボット』とか、工事現場にある骨組みだけのエレベーターと思いきや宇宙間をジェットコースターの様に過激なスピードで渡ってしまう乗り物など、奇抜なアイデアが沢山盛り込まれています。

あらすじ
平凡なイギリス人アーサー(マーティン・フリーマン)がある朝目覚めると、家の前にブルドーザーと作業員達がいて、バイパスを造る為に家が取り壊される事になっている事を知ります。そこへ友達のフォード(モス・デフ)がやって来て、近くのパブに一緒に行く様にアーサーを説得します。

アーサーにピールを飲む事を勧めて自分もビールを飲み干しながら、フォードは自分が実はエイリアンで「銀河ヒッチハイク・ガイド」の記者でガイドの製作の為に地球にやって来た事、車に挨拶をしようとして跳ねられそうになった所をアーサーに助けられたという恩があるので、実はこれから宇宙間のハイパーバイパスを造る為にヴォゴン星人に解体される事になっている地球上からアーサーを助ける事を話し出します。

自分の家が解体されているのを見て外に飛び出したアーサーは、頭上に巨大な宇宙船がある事に気づきます。フォードはアーサーを連れてヴォゴン星人の宇宙船にヒッチハイクをする事に成功するのですが。。。

Point-of-view銃(視点の銃)というのが登場するのですが、なんと女性の心を理解出来ない男性に気持ちを分からせる為に作られたそうで、撃たれれると、撃った相手の気持ちが分かってしまいます。こんな銃があったら夫婦喧嘩は無くなるかもしれないですね。皮肉も所々で効いている映画です。

お笑い調のストーリーでおバカ映画と言ってもいい位なのですが、その中で宇宙とはなにか、生命とは何か、独自の視点を持って描かれているSF映画です。

銀河ヒッチハイク・ガイド [DVD] / サム・ロックウェル.モス・デフ.ズーイー・デシャネル...
銀河ヒッチハイク・ガイド [DVD] / サム・ロックウェル.モス・デフ.ズーイー・デシャネル.マーティン・フリーマン.ビル・ナイ (出演); ガース・ジェニングス (監督)銀河ヒッチハイク・ガイド [Blu-ray] / サム・ロックウェル, モス・デフ, ズーイー・デシャネル, マーティン・フリーマン, ビル・ナイ (出演); ガース・ジェニングス (監督)銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) [文庫] / ダグラス・アダムス (著); 安原 和見 (翻訳); 河出書房新社 (刊)新 銀河ヒッチハイク・ガイド 上 (河出文庫) [文庫] / オーエン コルファー (著); 安原 和見 (翻訳); 河出書房新社 (刊)


posted by 淀川あふるー at 15:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする